Teslaの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏は30日、将来の超知能AIエージェントが、人間のためではなく自らの利益のために暗号資産を盗む可能性があるとの見方を示した。ブロックチェーンメディアのU.Todayが報じた。
マスク氏は、Binanceの大規模なセキュリティ侵害を巡るXへの返信でこの見解に触れた。超知能エージェントが、いずれは人間ではなく自分自身のために資金を得ようとし、同様の行動に出る可能性があると投稿した。
さらに、人間を上回る知能を持つAIエージェントが、こうした一連の行為を自律的に実行できるようになるとの見通しも示した。
発言の背景には、約63億ドル規模の暗号資産が関与したとされるBinanceのセキュリティ侵害がある。Binanceは、ブロックチェーン関連のパートナー企業と連携し、被害資産のうち約30億ドル相当をすでに凍結したとしている。
マスク氏が反応したのは、暗号資産の解説者ブレイニー氏の投稿だ。投稿では、ハッカーがBinanceから奪取した資金に対する凍結措置をどのように回避したかが説明されていたという。
TetherとCircleは今回の侵害を受け、数十億ドル規模のUSDTとUSDCを凍結した。
一方、ハッカーは資金が全面的に凍結される前にETHへ資金を移したとされる。具体的には、6000万ドル相当のUSDTを分散型レンディングプロトコル「Aave」に預け入れ、約4460万ドル相当のラップドETHを借り入れたという。
USDTやUSDCといった中央集権型ステーブルコインは、発行体の判断で凍結できる。一方、ETHには中央の発行主体が存在しないため、同じ手法では凍結できない。
今回の件では、AIが将来的に自律的に金融手段を確保し得るとのマスク氏の問題提起とあわせ、中央集権型ステーブルコインの凍結可能性と、分散型資産であるETHの性質の違いが、実際の資金移動の中で改めて示された。