米国の従業員エンゲージメントは2026年7〜9月期に29%まで低下し、2011年以来の低水準となった。写真=Shutterstock

米国で従業員エンゲージメントの低下が鮮明になっている。2026年7〜9月期のエンゲージメント率は29%と、2011年以来の低水準を記録した。リモートワークやハイブリッド勤務で落ち込みが目立ち、AIを導入している組織でも同様の傾向が確認された。

CNBCが29日(現地時間)に報じたところによると、Gallupがまとめた2026年7〜9月期の米労働者のエンゲージメント率は29%で、前四半期から2ポイント低下した。30%を下回るのは15年ぶりという。

エンゲージメントは、従業員が自らの仕事や組織にどの程度主体的に関わり、意欲を持っているかを示す指標。2020年に36%でピークを迎えた後、2024年には31%まで低下し、2026年上半期までは同水準で推移していた。

Gallupは今回の低下について、仕事に積極的に関与している米労働者が約320万人分減少したのに相当する変化だと分析した。

勤務形態別では差が目立った。完全リモート勤務者のエンゲージメント率は前四半期の37%から32%へ5ポイント低下。出社と在宅を組み合わせるハイブリッド勤務者も34%から32%へ2ポイント下がった。一方、オフィス勤務者の変化は比較的小幅にとどまった。

AIを導入している組織でも状況は同様だった。リモート勤務者は38%から33%へ、ハイブリッド勤務者は37%から33%へそれぞれ低下した。AIを導入していない、または導入状況が不明な組織と比べた差も、リモートでは5ポイントから2ポイントに、ハイブリッドでは8ポイントから3ポイントに縮小した。

職場内のコミュニケーションや人間関係に関する評価も悪化した。「自分に何が期待されているかを明確に理解している」と答えた割合は49%から46%へ低下し、「職場に自分を気にかけてくれる人がいる」との回答も40%から37%に下がった。

Gallupの上席科学者ジム・ハーター氏は、勤務場所が分散する環境では、組織が求める役割や帰属意識を十分に伝え切れていない可能性があると指摘した。AI導入のスピードに対し、管理職の支援やコミュニケーション体制の整備が追いついていない恐れもあるという。

調査は8月、米国の成人2万1648人を対象に実施した。ただ、GallupはAI導入そのものがエンゲージメント低下の直接要因だと断定したわけではないとしている。その上で、AI活用が広がるなかでも、明確な業務指針と管理職による支援が欠かせないと強調した。

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