ビットコイン市場で31日、約110億ドル相当のオプションが満期を迎える。Deribitの未決済建玉の約3分の1に相当する大口満期となるため、短期的なボラティリティ拡大への警戒が強まっている。一方で、大半の建玉はアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)にあり、名目規模ほどの実際の資金移動にはつながらないとの見方もある。
ブロックチェーンメディアのDecryptが29日(現地時間)に報じたところによると、今回満期を迎えるのは約13万5000BTC分のオプション。Deribitにおけるビットコイン・オプション未決済建玉の約3分の1を占める。
内訳はコールが約8万8700件、プットが約4万6500件。プット・コール比率は0.52で、コール建玉がプットのおよそ2倍となっている。
もっとも、110億ドルという数字は現行価格ベースの名目価値であり、実際の資金移動額をそのまま示すものではない。現在は契約の約86%がOTMにあり、行使益は見込みにくい状態だ。
現在の価格水準が続いた場合、実際の決済額は名目価値の約1%に当たる1億3000万ドルにとどまるとの推計もある。
市場の注目点の一つが「マックスペイン」価格だ。Deribit基準では、今回満期分のマックスペインは7万8000ドルで、足元のビットコイン価格を約3500ドル下回る。
ただ、Deribitはこの数値について、あくまでポジション分布を示す指標であり、実際の満期時点の価格を予測するものではないとしている。
行使価格別では、コール建玉は9万5000ドルと10万ドルに最も集中した。いずれも足元価格をそれぞれ約16%、約23%上回る水準だ。
一方、プットは足元価格を約14%下回る7万ドルに集中している。直近24時間の今回満期分の出来高は6000件を超え、Deribitのビットコイン・オプションでは満期別で最大となった。
マクロ環境も相場の変動要因になりそうだ。米連邦準備制度理事会(Fed)は28日、政策金利を3.75〜4.00%に据え置いた。採決は10対2で、反対した2人は利上げを支持した。
米10年国債利回りは5.05%で取引を終え、市場では年内の追加利上げ観測が強まった。高金利は資金調達コストや安全資産の利回りを押し上げるため、ビットコインなどリスク資産の重荷となりやすい。
今回の満期規模は、3月の150億ドルには及ばないものの、8月の64億ドルと比べると約70%大きい。2021年4月の36億ドルとの比較では約3倍の水準となる。
このため、市場では今回の満期を年末に向けたポジション調整の節目とみる向きもある。
次回の大口満期は12月25日で、今回とほぼ同規模の約13万5500BTC分の契約が予定されている。12月8〜9日のFed会合から約2週間後に当たり、金利見通しとオプション満期に伴う需給変化が重なって市場に影響を及ぼす可能性がある。