Microsoftは、OfficeやTeamsを担う中核業務ソフト部門で管理階層を縮小し、上級社員の出社要件も厳格化する。AIを前提とした開発体制への移行に合わせ、組織運営のあり方を見直す。
米Business Insiderが29日(現地時間)に報じたところによると、Copilot・Agent・Platform(CAP)部門を率いるチャールズ・ラマンナ氏は、Teamsのエンジニアリング組織を再編し、管理職1人当たり12人をみる体制に改めた。一部の管理職は、開発や技術を担うIndividual Contributor(IC)に移ったという。
ラマンナ氏は今月初め、ライアン・ロスランスキー氏が管掌してきたOfficeとTeamsの統括も引き継いだ。ロスランスキー氏は年末に退社する予定で、それまではサティア・ナデラCEOの顧問として組織移行を支援する。
これによりラマンナ氏は、従来の生産性ソフトと次世代のAIツールを一体で統括することになる。今回の見直しは、ナデラCEOが進めるAI中心の組織再編の一環とみられる。
背景にあるのは、AIコーディングエージェントの普及だ。Microsoftは、エンジニアの役割がコードを書くことから、AIが担う開発工程の設計・管理へ移りつつあると説明している。
その結果、技術判断やシステム設計、品質・セキュリティ管理、顧客要件の把握といった業務の重要性は一段と高まる一方、部門間の調整や引き継ぎなど、従来は管理職が担ってきた業務の比重は低下しているという。
Microsoftは、管理層を薄くすることで意思決定を速めるとともに、社員の自律性と責任を高められるとしている。同様の再編は他部門でも進められている。
働き方の見直しも進む。ラマンナ氏は自らの組織で、パートナー職以上の上級社員に週4日以上のオフィス勤務を求めた。これは、社内の標準的な週3日出社より厳しい条件となる。
一部の米国社員には、ワシントン州レドモンド本社のほか、サンフランシスコ、ニューヨークの各オフィスへ勤務地を移す選択肢も示された。
ラマンナ氏は今年8月、最優先すべきは個別製品の投入ではなく、働き方そのものの変化だと強調していた。今回の措置は、AI導入が業務の自動化にとどまらず、ビッグテックの組織構造や勤務文化にまで影響を広げていることを示している。