Sam Altman氏(OpenAI最高経営責任者(CEO)、写真=Shutterstock)

OpenAIのSam Altman最高経営責任者(CEO)は、AIの普及で仕事の在り方が大きく変わる中、社会に出たばかりの若手こそ旧来の成功モデルをなぞるのではなく、新しい仕事や課題に挑むべきだとの考えを示した。

米ITメディアのTechRadarが29日(現地時間)に報じている。Altman氏は、最近、スタンフォード大学経営大学院で講演し、足元の労働市場は不確実性の時代というより、むしろ新たな機会が広がる局面だと語った。

とりわけ疑問を呈したのが、MBA学生に見られがちな過去の成功パターンをなぞる姿勢だ。Altman氏は「MBA学生についていつも残念に思うのは、5年前には格好よく見えたことをやろうとする点だ」としたうえで、「今は新しいことを始めるのに非常に良い時期だ」と述べた。

Altman氏は、AIが企業の業務プロセスを変える動きはまだ初期段階にあるとの見方も示した。現在は人が担っている多くの業務について、今後はAIがより安く、より速く、より効率的に処理できるようになるとみている。

同氏は「いま人々が担っている多くの仕事は、やがてAIがよりうまく、より安く、より速くこなすようになる」と述べ、仕事の進め方そのものが大きく変わると指摘した。

そのうえで、こうした変化は若手にとってむしろ好機になり得ると強調した。「これから何かを始めようとする人にとっては、競争条件が開かれた大きな変革期にキャリアを始める方がいい」と述べた。

さらに、「潜在力や推進力、アイデア、新しい視点、新しい技術を持つ人は、環境が大きく変わる局面で相対的にうまくやれる」と付け加えた。

こうした発言は、AIによる雇用代替への懸念が高まる中で出たものだ。一方でAltman氏は、AIの普及が直ちに大規模な雇用崩壊につながるとの見方には距離を置いてきた。

同氏は2026年5月、AIの普及が「雇用の終わり」につながるとする主張に反論した。さらに同年7月には、AIが生産性や効率を押し上げるとしても、社会や働き方の変化がすぐに急速に表れるとは限らないとの認識を示している。

Altman氏は自身の経歴にも触れ、変化への対応例として紹介した。19歳で大学を中退した後、2005年に位置情報ベースのソーシャルネットワークアプリ「Loopt」を立ち上げ、2015年にはイーロン・マスク氏とともにOpenAIを共同設立した。

また、OpenAIが世に送り出した技術を土台に、同社を上回る規模や影響力を持つ企業が生まれる可能性にも言及した。Altman氏は「OpenAIが世に出した技術の上に築かれる企業の中から、OpenAIより大きく、より重要になる会社が数多く出てくる可能性がある」と述べた。

この発言は、AIツールを直接開発する企業だけでなく、その技術を活用して新たなサービスを設計する企業にも成長の余地があることを示している。AI時代のキャリア形成においても、大企業への入社や定型化された職務を目指すより、急速に変化する市場で新たな課題を解く方向に目を向けるべきだというのが、Altman氏のメッセージといえそうだ。

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