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米ステーブルコイン発行会社のCircleは、米証券取引委員会(SEC)に対し、一定の要件を満たす決済用ステーブルコインを証券市場でも現金と同等に扱うよう求めた。対象は主に自社の「USDC」を念頭に置いたもので、機関投資家市場での活用拡大につなげる狙いがある。

Circleが10月28日(現地時間)に公表した声明によると、同社は20日付でSECに意見書を提出した。見直しを求めたのは、証券公募、ブローカー・ディーラーの純資本規制、顧客準備金口座の3分野だ。

意見書は、SECが提案した「Regulation Crypto Assets(暗号資産規則)」に対するもの。同規則は、一部の暗号資産発行について証券登録義務の免除を認める枠組みで、企業が4年間で最大500万ドルを調達できる案と、年間最大7500万ドルを募集できる案を含む。

Circleはこのうち証券公募の扱いについて、GENIUS Actの要件を満たす決済用ステーブルコインは現金として認めるべきだと主張した。SEC案では、対象となるステーブルコインを調達額に算入する考えが示されているが、発行体が受け取った時点で通常の現金と同様に利用できることを明確にすべきだとしている。ブロックチェーン基盤のドル建てトークンで受け取ったことだけを理由に、銀行送金と異なる規制を課すべきではないという立場だ。

また、ドルと1対1で償還可能な適格ステーブルコインについては、ドル建て額面どおりに評価すべきだと訴えた。決済手段としてステーブルコインを受け取ったという理由だけで、当該トークンや発行体に証券関連の義務を課すべきではないとも指摘している。

純資本規制も主要な論点の1つだ。SECの職員指針では、ブローカー・ディーラーが自己勘定で保有する適格ステーブルコインについて、純資本の算定上、保有額の2%相当が差し引かれる。例えば10億ドル(約1500億円)分を保有する場合、規制上認められる純資本は2000万ドル(約30億円)減少する計算になる。Circleは、GENIUS Actの要件を満たす決済用ステーブルコインには、この2%控除を適用しないよう求めた。

もっとも、この2%控除はSEC委員会が定めた正式な規則ではなく、拘束力を持たない職員指針に基づくものだ。控除率を0%にするには、SECによる追加判断が必要となる。実際の影響は、各ブローカー・ディーラーが保有するステーブルコインの規模によって左右される。

顧客資産保護規則の見直しも提案した。現行のRule 15c3-3では、ブローカー・ディーラーは顧客資金を保護するため、現金または適格証券を準備金口座に保有しなければならない。Circleは、要件を満たす決済用ステーブルコインをこの準備金として認めるのかどうか、SECが明確にすべきだと要請した。

Circleは、GENIUS Actによってステーブルコインの発行、準備金、償還、監督の枠組みが整備されたことで、適格ステーブルコインを決済・清算手段として認める制度的な根拠が整いつつあるとみている。

一方で、発行体に対する規制の枠組みが整ったとしても、証券市場のあらゆるルールで直ちに現金同等の扱いが認められるわけではない。USDCを含むステーブルコインの機関投資家市場への浸透が進むかどうかは、SECが追加の制度整備に踏み込むかに左右されそうだ。

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