Volkswagen「ID.4」 写真=Volkswagen

Volkswagenグループは、欧州でEV納車を伸ばす一方で、採算悪化に直面している。EVは内燃機関車より利益率が低いうえ、中国市場の低迷や米国の関税負担、減損や再編に伴う一時費用が重なり、業績を圧迫している。

InsideEVsによると、同グループの2026年第3四半期における欧州のバッテリーEV納車台数は20万9100台と、前年同期比19.6%増えた。

ただ、米国と中国では販売が大きく落ち込み、世界全体のEV納車台数は24万200台と、前年同期比4.7%減少した。

欧州でEV納車が拡大しても、採算改善はなお難しい。最高財務責任者(CFO)兼最高執行責任者(COO)のアルノ・アントリッツ氏は、EV販売の拡大がかえって業績の負担になっているとしたうえで、EVは内燃機関車に比べて収益性が低いと説明した。

2026年第3四半期の営業損益は58億6000万ユーロの赤字だった。売上高は752億7700万ユーロで、前年同期比6.3%減少した。

もっとも、業績悪化はEVの低採算だけでは説明できない。Porsche関連ののれんの減損損失64億ユーロのほか、中国事業の資産減損やリストラ費用も収益を大きく押し下げた。

2026年1〜9月の特別項目は計87億ユーロに上った。これを除いた営業利益は88億ユーロだったが、売上高営業利益率は3.8%にとどまった。

アントリッツ氏は、足元の採算水準では将来投資を継続しにくいとして、迅速かつ断固とした対応が必要だと強調した。

一方で、EV事業にはなお成長余地がある。9月末時点で、欧州の受注残の約40%をバッテリーEVが占めた。新たに投入した普及価格帯のEVシリーズにも約15万件の注文が集まった。

同社は、車種構成の簡素化や生産効率の改善、間接費の削減を通じて、総額310億ユーロ規模のコスト改善プログラムを進めている。

欧州で拡大するEV需要を成長機会として取り込むには、販売拡大と並行して製造コストと収益性の改善を進める必要がある。Volkswagenは2026年通期の営業利益率見通しを最大1%としている。

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