Ethereum(ETH)に2000ドル割れへの警戒感が広がっている。大口投資家による売却と取引所残高の増加に加え、テストネットのアップグレード延期も重なり、短期的な下値圧力が強まっているためだ。
ブロックチェーンメディアのU.Todayは29日(現地時間)、大口投資家の売りと取引所残高の増加を背景に、Ethereumの需給が悪化していると報じた。
記事執筆時点でEthereumは24時間で1.37%下落し、2320ドルで推移した。市場全体で売りが続く中、投資家は米連邦準備制度理事会(FRB)が10月会合で金利を据え置いた後のマクロ経済の不透明感を織り込んでいるという。
市場アナリストのアリは、Ethereumが現在の水準からさらに約14%下落し、2000ドル近辺まで下げる可能性があると指摘した。28日に2400ドル近辺で上値の重さを確認した後の見方だとしている。
オンチェーン取引量は一時1000億ドルを超えたが、価格はこのレンジを上抜けできず、その後は2300ドルを割り込んだ。日中安値は2290ドルだった。
アリは、直近の弱気地合いの背景として、大口投資家のポジション縮小を挙げた。数日間で大口保有者が約16万ETHを減らし、金額ベースでは3億4800万ドル超に相当するとした。こうした断続的な売りが、相場の下押し要因になり得るという。
取引所残高の増加も重荷となっている。アリによると、同じ期間に取引所に保管されたEthereumは10万ETH増加した。金額では約2億4000万ドル規模となる。
取引所残高が増えると、市場で売却可能なEthereumが積み上がるため、追加の下落圧力につながりやすい。
テクニカル面でも弱さが意識されている。アリは、Ethereumが2385ドルを下回って推移しており、日足チャートでは「直角上昇拡散型パターン」の下限割れが示唆されると述べた。
売り圧力が続き、Ethereumが2385ドルを回復できず、取引所残高も高水準で推移する場合は、2000ドルまでの下落を視野に入れる必要があるとの見方を示した。
一方で、Ethereumネットワークのアップグレード日程にも遅れが生じた。Hoodiテストネットで26日に予定されていた「Glamsterdam」アップグレードは延期され、新たな実施日は未定となっている。
主要開発者はACDE #248会議で、EIP-8037がメインネットのスマートコントラクトと相互作用する方式について、追加の点検が必要だと判断した。
今回の延期に伴い、Hoodiで予定されていたAmsterdam実行レイヤーとGloas合意レイヤーの有効化も先送りされた。同時期に予定していたHoodiのガス上限の2億への引き上げも見送られた。
開発者は、修正後のHoodi有効化スケジュールを別途案内する予定だ。
弱気シグナルの強まりとアップグレード延期が同時に表面化したことで、市場は目先の需給とネットワーク開発の両面を注視している。当面は2385ドルを回復できるかどうかと、取引所残高の推移が追加下落の有無を左右する主要な材料となりそうだ。