米Ford Motorは、新型EVプラットフォーム「UEV」に採用する駆動系の効率が、中国BYDの製品と比べて約30%高いと説明した。必要な航続距離を維持しながら電池を小型化し、製造コストも抑えることで、低価格EV市場での競争力強化につなげる考えだ。
29日付のInsideEVsによると、ジム・ファーリーCEOは直近の第3四半期決算説明会で、UEVに搭載するモーター、減速機、インバーターを含む駆動系の効率が、BYD製品を約30%上回ると述べた。
ファーリーCEOは、駆動系効率の改善によって、目標とする航続距離を確保したまま、より小型の電池を搭載できると説明した。電池はEVのコストに占める割合が大きく、容量を抑えられれば車両価格の引き下げにもつながる。
UEVを初採用する車種は、2027年発売予定の中型電動ピックアップトラック「Fathom」。ベースグレードの価格は2万8350ドルからとする。
Fordは、UEVの開発で部品点数の大幅削減も進める。146点の車体構造部品を2点の大型アルミ一体鋳造部品に集約し、車両を3つのパートに分けて並行して組み立てる生産方式も導入する。
また、米ミシガン州で生産するリン酸鉄リチウム(LFP)電池を、コスト競争力の柱に据える。Mustang Mach-EやF-150 Lightningよりも手ごろな価格帯のEV投入を視野に入れる。
一方で、Fordは比較対象としたBYDの車種や駆動系の仕様、効率測定の条件を公表していない。Fathomの電池容量や公式の航続距離も未確定で、30%という数値がそのまま実車の電費性能の優位性を示すものとは言い切れない。
Fordは欧州でGeely Autoと協業し、コスト削減や製品開発の迅速化に向けた手法も取り入れている。クマール・ガルホトラCOOは、UEVで得たモーター効率改善の技術を、ハイブリッド車にも広げる計画だと明らかにした。