中国テック株が急落する一方で、ビットコインは上昇基調を維持した。もっとも、株式市場との連動性が薄れたとは言い切れず、市場ではレバレッジ解消や連鎖的な売りが暗号資産市場に波及するリスクが意識されている。
CryptoSlateが10月29日に報じた。上海証券取引所の科創板を代表する50銘柄で構成する「STAR50」指数は、7月9日から10月26日までに39.8%下落した。この間、中国テック株では時価総額約4800億ドルが失われた。一方、ビットコインは同期間に26.6%上昇した。
ただ、期間全体で騰落が分かれたからといって、ビットコインが株式市場から切り離されて動いているとみるのは早計だ。Reutersによると、10月26日までの米国株30営業日を基に算出したビットコインとNasdaq100の日次リターンの相関係数は約0.63と、7月9日時点の0.36から上昇した。
期間全体の方向感は異なっていても、日次ベースでは同じ方向に動く傾向が強まっていることになる。
市場で警戒されているのは、レバレッジ解消と市場横断的な売り圧力だ。マージン圧力が強まったり、他市場での損失補填を目的とする売りが出たりすれば、足元のビットコイン高が外部ショックに左右されにくいとは言い切れない。焦点は上昇率の大きさではなく、その流れがどのような条件で維持されているかにある。
特に、中国テック株の下落が他市場での資金調達圧力や強制売却につながるかどうかがカギを握る。株安によって追証が増えたり、資金流出が広がったりすれば、投資家が現金を確保するため、ビットコインを含む他の資産まで売却する可能性がある。
投資家マネーの動きも一方向ではない。ビットコイン現物ETFは、10月22日に6億3600万ドルの純流出となった一方、26日には1億1000万ドルの純流入に転じた。
短期的にはビットコインの相対的な強さが目立ったものの、今後の市場変動局面では、外部資産市場のショックが暗号資産市場に再び波及する可能性がある。今回の対比は中国テック株の急落とビットコイン上昇を浮き彫りにしたが、最終的な焦点は市場全体のレバレッジ圧力と連鎖売りの有無にある。