米フードデリバリー大手DoorDashは29日、食料品配送大手Instacartを170億ドル(約2兆5500億円)で買収することで合意した。買収額は1株当たり65ドル。Instacartのブランドやアプリは買収後も維持する。米TechCrunchが同日、報じた。
報道によると、両社の取締役会はすでにこの取引を承認した。買収完了までは、両社はそれぞれ独立した企業として事業を継続する。
DoorDashは今回の買収により、より多くの食料品店がInstacartの技術を活用し、自社のオンライン注文基盤や広告事業の強化を進められると説明した。あわせて、DoorDashの配送網を活用することで、オンライン注文への対応や配送コストの低減にもつながるとしている。
Instacartのクリス・ロジャースCEOは「この14年間、Instacartは規模を問わず小売事業者の競争力強化と成長を支援し、オンラインの買い物体験を変えてきた。DoorDashと組むことで、さらに大きなことを実現できる」とコメントした。
DoorDashのトニー・シューCEOは「食料品は、オンライン化が最も難しい領域の一つだ。熟したアボカドを選び、顧客が自分で選びそうな代替品を見つけ、アイスクリームが溶ける前に届けなければならない」としたうえで、「Instacartと組むことで、あらゆる規模の店舗により多くのツールを提供し、食料品配送の可能性を引き出せる」と述べた。
Instacartの時価総額は現在130億ドル超。株価は年初来で25%上昇している。TechCrunchは、食料品配送市場の競争が一段と激しくなる前に、Instacartが有利な条件で売却できる局面と判断した可能性があると分析した。これに先立ちBloombergは、InstacartがUberとも交渉していたものの、Uberは協議から撤退したと報じていた。
取引の完了時期は、2027年末から2028年上半期になる見通しだ。