世界の再生可能エネルギーによる発電量が2025年、石炭火力の発電量を上回った。太陽光発電と風力発電の拡大を背景に、化石燃料中心だった世界の電源構成に変化が広がっている。
Cleantechnicaが28日(現地時間)に報じたところによると、2025年の世界の発電量に占める再生可能エネルギーの比率は約34%となり、石炭火力を初めて上回った。
エネルギー分野のシンクタンクEmberの分析では、2025年の再エネ発電量は1万730テラワット時(TWh)で、全体の33.8%を占めた。これに対し、石炭火力は1万476TWh、構成比は33.0%だった。
一方で、石炭や天然ガスを含む化石燃料全体の発電比率は約57%と、依然として再エネを上回っている。
再エネ拡大をけん引したのは太陽光発電だ。2025年の太陽光発電量は前年比で600TWh超増加し、世界の電力需要増加分の約75%を賄った。
風力発電を合わせると、太陽光と風力で新たな電力需要の約90%を吸収した計算になる。
設備容量の増加も加速した。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、2025年の世界の再生可能エネルギー設備容量は5149ギガワット(GW)に達した。
この1年で692GWが新たに加わり、前年比15.5%増となった。2025年に導入された新規発電設備容量の85.6%は再生可能エネルギーが占めた。
コスト低下も普及を後押ししている。2010年から2024年にかけて、大規模太陽光の発電コスト(均等化発電原価)は90%、陸上風力は70%低下した。
バッテリー蓄電技術の進展も、再エネの活用を広げる要因とみられている。
企業による再エネ調達も拡大している。Google、Meta、Amazon、Microsoft(MS)などのビッグテックは2025年、計約27GW規模の新たな太陽光・風力発電設備の確保を主導した。
ただ、送電網への接続の遅れや許認可手続き、発電量の変動といった課題はなお残る。国際エネルギー機関(IEA)は、米国と中国では2030年までにデータセンターの新たな電力需要を、再エネよりも化石燃料が多く賄う可能性があると予測している。
再エネ発電量が石炭火力を上回る歴史的な節目を迎えた一方、安定供給の実現には送電網の増強とエネルギー貯蔵設備への投資を並行して進める必要がある。