写真=聯合ニュース

金融当局は、経営が急速に悪化した金融機関を最短3~4日で整理できる「迅速整理制度」の導入に乗り出す。金融市場全体に危機が波及するおそれがある緊急時に、入札や株主総会などの手続きを省略して処理を急ぐ仕組みで、株主や債権者の権利保護に向けては事後補償制度も整える。

金融委員会は10月29日、「金融機関迅速整理制度」の導入案を公表した。関連法となる「金融産業の構造改善に関する法律」と「預金者保護法」の改正を進める。

現行制度では、経営が悪化した、または悪化のおそれがある金融機関に対し、適時是正措置を発動し、それでも履行されない場合に整理処分へ進む段階的な手続きを採っている。入札や利害関係者保護のための手続きが必要で、経営悪化の認定から契約移転まで通常は約150日かかるという。

金融委員会は、整理が長引けば損失規模や処理コストが膨らみ、預金の払戻し停止が長期化して市場不安を招く可能性があるとみている。このため、既存制度だけでは危機の封じ込めが難しい緊急時に備え、別建ての迅速整理制度を設ける方針とした。

対象となるのは、金融産業の構造改善に関する法律上の金融機関のうち、預金保険基金による資金支援が可能な先だ。銀行、保険会社、証券会社、貯蓄銀行、金融持株会社などが含まれる。

一方、農協銀行、水協銀行、相互金融は、個別法に基づく監督・整理の枠組みがあるため対象外とする。再保険会社、与信専門金融会社、一部の資産運用会社や信託会社も除外する。

制度の発動には、3つの要件をすべて満たす必要がある。対象金融機関が経営不振、または経営悪化のおそれがある状態にあり、その影響で重大な金融危機が生じる、もしくは金融市場の安定が著しく損なわれるおそれがあることが条件となる。

加えて、適時是正措置など現行法に基づく処分だけでは危機を防げない緊急事態であり、公益上の必要性が認められることも求める。

対象金融機関の指定は、企画財政部、金融監督院、預金保険公社、韓国銀行が参加する会議で決定する。在籍委員の3分の2以上の賛成を要件とする。

迅速整理の対象に指定されると、当局は営業停止、管理人の選任、契約移転、第三者への売却、株式の消却・併合、許認可の取り消しなど、さまざまな整理手段を講じることができる。

整理期間の短縮に向けては、関連法に基づく一部手続きの省略も認める方針だ。

預金保険公社が契約移転や第三者への売却を進める際は、国家契約法上の競争入札に代えて随意契約を可能にする。行政手続法に基づく事前通知や、意見聴取・意見提出の手続きも省略できるようにする。

また、商法と金融産業の構造改善に関する法律に基づく取締役会・株主総会の決議、反対株主の株式買取請求、債権者の異議申し立て、公正取引法上の企業結合審査も免除できるようにする方針だ。

資産・負債のデューデリジェンスについては、預金保険公社がまず1~2日以内に暫定評価を行い、整理後に確定実査を実施する方式に改める。これにより、現在は約150日かかる整理期間を、週末を含めて3~4日程度に短縮することを目指す。

一方で、迅速な整理の過程で制約を受け得る株主・債権者の権利を守る仕組みも導入する。

金融委員会は、迅速整理によって株主・債権者の損失が通常の清算・破産手続きより大きくならないようにする「NCWOL(No Creditors Worse Off than in Liquidation)」原則を適用する。

整理終了後は、外部の専門機関が清算ベースで損失を算定し、迅速整理による損失がそれを上回った場合、その差額を預金保険基金から補償する。

金融委員会は、整理処分から6カ月以内に、関連内容や理由、結果などを国会の政務委員会に報告する予定だ。

金融委員会は11月2日から12月14日までの42日間、金融産業の構造改善に関する法律と預金者保護法の改正案を立法予告する。その後、規制改革委員会と法制処の審査、金融委員会、次官会議、国務会議での議決を経て、国会に法案を提出する計画だ。

キーワード

#金融委員会 #迅速整理制度 #金融産業の構造改善に関する法律 #預金者保護法 #預金保険基金 #NCWOL
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.