写真=Kawasaki Heavy Industriesが大阪・関西エキスポで公開した四足歩行モビリティ「CORLEO」

Kawasaki Heavy Industriesは、人が搭乗して山道を移動できる四足歩行モビリティ「CORLEO(コルレオ)」について、2035年の実用化を目指している。もともとは2050年の移動手段を想定したコンセプトモデルだったが、予想を上回る反響を受け、製品化に向けた開発を本格化した。

ITmediaが29日に報じたところによると、同社はCORLEOを社長直轄プロジェクトに位置付け、本格開発に乗り出した。

CORLEOは、ライオンの胴体を思わせる車体に4脚を備えたモビリティだ。成人1人が馬のようにまたがって乗り、搭乗者の重心移動で進行方向を操作する。水素エンジンで発電した電力で駆動する点が特徴となっている。

2025年の大阪・関西エキスポで公開された機体は、実物大のモックアップだった。人が実際に搭乗し、山岳地形を走行できる機体は、引き続き開発段階にある。

開発は約2年前、未来型モビリティの構想を進める中で始まった。当時は、転倒しないバイクや空飛ぶ車なども候補に挙がったが、開発チームは既存の自動車やバイクとの差別化を図るため、車輪を使わない構造を選んだ。

脚の本数を巡っても検討を重ねた。6脚や8脚では昆虫を連想させ、2脚ではヒューマノイドとの違いが出しにくいと判断。親しみやすい外観に加え、安定性と地形対応力を踏まえ、4脚構造を採用した。

開発チームは実際に山に入り、四つんばいで山中を移動する検証も行った。険しい地形で、どこに脚を置くべきかを体感するためだという。

商用化に向けた最大の課題は、安全性と操作性の確保だ。Kawasaki Heavy Industriesは、AIに全面的に依存するのではなく、人が設計したモデルに基づいて動作を検証している。AIは雨や風など、多様な環境への対応に活用する方針だ。

同社は2027年に搭乗シミュレーターを完成させ、2030年のサウジアラビア・リヤドエキスポで新機体「CORLEO X-1」を公開する計画だ。

2035年には、観光・レジャー分野を中心に商用化を進める。商用化当初は走行エリアや利用条件を限定し、専用の体験施設を通じて一般利用者に搭乗機会を提供する案も検討している。

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