Coinbaseのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は、トークン化株式の普及拡大を背景に、あらゆる資産のオンチェーン化が加速しているとの見方を示した。トークン化株式の取引高と時価総額は過去最高を更新しているが、普及には制度整備や発行企業の同意といった課題も残る。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが28日(現地時間)に報じたところによると、アームストロング氏はX(旧Twitter)への投稿で、トークン化株式とステーブルコインが急速に拡大していると指摘し、資産全般のオンチェーン化は今後も進むとの認識を示した。
同氏は9月にも、Coinbaseでトークン化株式への需要が急増していると言及していた。特にBaseネットワークでは、関連資産の保有者数が1カ月で9697%増となったとし、「まだ初期段階だが、現時点では前向きな反応を得ている」と述べた。
トークン化株式は、ブロックチェーン上で発行されるトークンを通じて、株式や株価への連動性を持たせた金融商品を指す。ただし、トークン保有者が従来の株主と同等の権利を当然に持つわけではない。議決権や配当請求権の有無は、発行主体や各トークンの法的設計によって異なる。
市場規模も拡大している。今月第1週のトークン化株式の現物取引高は約30億ドルに達した。Robinhood Chain、BNB Chain、Solanaが取引の大半を占めた。当時、オンチェーン金融全体に占めるトークン化株式の比率は約5%にとどまっていたが、足元では時価総額が48億7000万ドルへ拡大し、過去最高を更新した。
一方で、普及には制度面の整備が欠かせない。米証券取引委員会(SEC)は最近、「イノベーション免除」プログラムを導入し、一部のトークン化米国株について、分散型台帳上での取引を認める限定的な例外措置を設けた。要件を満たしたトークン化資産プラットフォームは取引所規制の対象外となり、自動マーケットメーカー(AMM)にはブローカーディーラーに課される一部義務が免除される可能性がある。
ただ、この措置はすべてのトークン化株式プラットフォームを一律に認めるものではない。SEC関係者によると、プラットフォームはトークン化株式を上場する前に発行企業へ通知する必要があり、企業が拒否した場合は当該株式を販売できない。実際、Wells Fargo、Arm Holdings、Intuitなど上場6社は、OKXとIntercontinental Exchange(ICE)の共同プラットフォームで自社株をトークン化することに反対を表明した。
ステーブルコイン市場も拡大が続く。9月の市場規模は3130億ドルとなり、前月比1.29%増で2カ月連続のプラスだった。一方、暗号資産市場全体が8.46%上昇した影響で、市場全体に占めるシェアは11.3%から10.5%へ低下した。
銘柄別では、TetherのUSDTが1840億ドルで58.7%のシェアを維持した。CircleのUSDCは「Arc」メインネットのローンチ後、746億ドルへ小幅に増加した。EthenaのUSDeは49億ドルで20.2%増となり、上位10銘柄で最大の伸び率を記録した。一方、CircleのUSYCは24億ドルと13.4%減り、減少率が最も大きかった。
実物連動資産(RWA)のトークン化市場の構成にも変化が出ている。トークン化債券とマネーマーケットファンドは173億ドルで8.1%減少し、市場全体に占める比率は50.5%へ低下した。これに対し、プライベートクレジットは56億2000万ドルで7.15%増、トークン化商品は64億3000万ドルで7.43%増となった。
こうした流れのなか、トークン化株式の成長は続くとみられるが、発行企業の同意取得や規制の適用範囲、投資家の権利設計が今後の普及を左右する焦点になりそうだ。
アームストロング氏は「すべての資産クラスがオンチェーンへ移行している。トークン化株式とステーブルコイン(本質的にはトークン化された法定通貨)は急速に成長しており、今後も増えていく。金融システムの更新を続ける」と投稿した。