写真=Virgin Galactic。次世代宇宙船のDelta級1号機「Apeiron」。

米民間宇宙企業のVirgin Galacticは10月28日(現地時間)、次世代宇宙船「Apeiron」を公開し、本格的な飛行試験に向けた準備に入った。長期停滞が続く宇宙観光事業の再始動につながるかが注目される。

米ITメディアArs Technicaによると、同社は同日、米アリゾナ州メサの工場でDelta級宇宙船の1号機Apeironを披露した後、米ニューメキシコ州のSpaceport Americaへ移送した。Apeironは古代ギリシャ語で「無限」を意味し、名称は約80カ国の宇宙ファンが参加した公開投票で決まったという。

移送には母機「VMS Eve」を使った。ApeironをVMS Eveに搭載した状態で搬送しており、機体単独で飛行したわけではない。

Virgin Galacticは今後、Spaceport Americaで航空電子機器と飛行ソフトウェアの統合・検証を進める。その後は地上試験、母機搭載飛行、分離試験を経て、高度80キロ超を目指すロケット推進の飛行試験に移る計画だ。

初の商業宇宙飛行は2027年4〜6月期初めを目標とする。2機目のDelta級宇宙船については、同年4〜6月期末から7〜9月期初めにかけて商業運航へ投入する方針だ。

同社は当初、2026年までにDelta級宇宙船2機を運用する計画を示していた。ただ、開発と検証の遅れにより、商業化の時期を後ろ倒しした。

米の宇宙観光市場も低調だ。Blue Originは今年1月のNew Shepard飛行を最後に、少なくとも今後2年間は運航を止め、月探査開発に注力する方針を示した。SpaceXも昨年4月に民間人による自由飛行ミッションを終えており、Virgin Galacticも2024年6月以降、顧客を乗せた宇宙飛行を実施していない。

Apeironは週最大2回、機体寿命を通じて500回超の飛行を想定して設計された。Virgin Galacticは運航頻度の引き上げとコスト削減につなげたい考えだ。

もっとも、高頻度の反復飛行に必要な安全性、耐久性、採算性はなお実証段階にある。Apeironの試験飛行の成否は、Virgin Galacticの商業運航再開だけでなく、民間宇宙観光市場の先行きを占う材料になりそうだ。

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