Dropboxは、全従業員の約9%に当たる約200人を削減する。長期成長戦略に沿って組織を再編し、中核事業と成長分野への投資を優先する。足元の収益性を確保しつつ、経営資源の配分を見直す狙いだ。
10月28日付のBusiness Insiderによると、削減対象はエンジニアリング、プロダクト開発、デザイン、管理部門の約200人。対象となった従業員の大半は、発表当日に退社した。
共同CEOのアシュラフ・アルカルミ氏は社内メモで、「長期戦略で必要となる製品と成長目標に合わせ、投資の方向性と組織構造を調整している」と説明した。そのうえで、「足元では収益を確保し、今年の事業でも成果を上げてきたが、顧客へのインパクトが大きく、成長余地の高い分野に資源を集中させる必要がある」とした。
同社は今後2年間、顧客の中核業務上の課題を解決する製品の強化に加え、大企業顧客の獲得と新市場の開拓に注力する計画だ。この方針に伴い、一部業務は縮小または中断し、組織の簡素化を進める。人員削減後も、残る従業員に従来業務をそのまま上乗せする形にはしない方針も示した。
経営陣の交代も実施する。Dropboxの最高技術責任者(CTO)、アリ・ダスダン氏は11月18日付で退任する予定で、退任まで技術部門の引き継ぎを支援する。
削減対象者には、基本16週間分の給与に加え、在籍1年ごとに1週間分の給与を加算した退職金を支給する。第4四半期分の株式報酬に加え、対象者には年次成果給の按分支給も行う。
米国の従業員には、要件を満たした場合、最長6カ月分の健康保険継続費用を支援する。ビザ保有者向けの移民関連支援のほか、無料の再就職支援やキャリアコーチングも提供する。
Dropboxは今回の構造改革に伴い、退職金や福利厚生などを含めて2700万〜3300万ドルの費用が発生すると見込む。関連費用の大半は第4四半期に計上される見通しだ。
一方で同社は、第3四半期の売上高と調整後営業利益率について、従来見通しに沿うか、これを上回ると予想している。今回の人員削減は、業績悪化を受けた緊急措置というより、中長期の成長分野へ資源を再配分するための組織再編と位置付けられる。