DogeOS幹部による「Dogecoinは時価総額の規模に比べ、オンチェーン活用が大きく立ち遅れている」との指摘をきっかけに、Dogecoinコミュニティで成長戦略を巡る議論が広がっている。焦点となっているのは、DeFiなどのオンチェーン機能拡大を成長とみなすべきか、それとも決済通貨としてのシンプルさと安全性を優先すべきかという点だ。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが10月28日(現地時間)に報じた。発端は、X(旧Twitter)で活動するDogeOSの最高戦略責任者(CSO)、ビルダーJ(BuidrJ)の投稿だった。
ビルダーJは、Dogecoinの規模に見合うエコシステムを構築する開発者が実質的に不在だと主張した。これに対し、Dogecoinコア開発者のクロミア・エックスは、自身の取り組みを無視する発言だとして反発した。
ビルダーJによると、Dogecoinの時価総額は123億ドルに達する一方、オンチェーンでロックされている資金は約1100万ドルにとどまる。これに対し、Ethereumでは464億ドル、Solanaでは57億ドルがDeFiにロックされており、時価総額に対する比率でも大きな差があるとした。
その上で、Dogecoinは主要暗号資産と比べて「100倍出遅れている」との見方を示した。Dogecoin保有者がオンチェーンに資産を投入したくないのではなく、TVLの拡大を支えるだけの実用性が不足してきたことが背景にあると説明している。
これに対し、Dogecoinコミュニティの活動家ミシャボアは、そもそもの評価軸に異議を唱えた。DeFiプロトコルに預けられた資金量だけでDogecoinの成功を測るべきではなく、そうしたプロトコルは利用者に追加的なリスクをもたらし得ると指摘した。
ミシャボアは、「DogecoinはもともとEthereumやSolanaを目指していたわけではない」と強調。Dogecoinは、遊び心を持つ、誰でも許可なく使える分散型通貨という性格の下で支持を広げてきたと主張した。
さらに、Dogecoinの強みはシンプルさにあるとし、多くのDOGEを各種金融アプリにロックすることが、一般利用者にとって自動的に利便性や価値の向上につながるわけではないと述べた。TVLは通貨の優劣を測る指標ではないとの立場だ。
Dogecoinに今必要なのは、DeFi拡張よりも基盤整備だとも訴えた。具体的には、厳格なコードレビューとセキュリティ研究に加え、オープンソースのノードソフトウェア、第三者依存を抑えた軽量ウォレット、利用者のプライバシーと資産の安全を守りながら使いやすさを備えたインターフェースの開発を優先すべきだとしている。
今回の論争は、Dogecoinの成長を何で測るのかという根本的な問いを浮き彫りにした。DeFiやオンチェーン金融機能の拡充を進めるのか、それとも決済向け暗号資産としてのアイデンティティーを維持しつつ、ソフトウェア基盤とセキュリティ強化を優先するのか。コミュニティ内の意見の隔たりはなお大きい。
ミシャボアは、Dogecoinの成功をDeFiに預けられる資金量で定義するのは、追加リスクを伴う仕組みを前提にした評価にすぎないと批判した。そうした見方はDogeOSが構想する事業には合致しても、Dogecoin自体の必須条件として語るべきではないとしている。
また、Dogecoinを取り巻く商用サービスの構築自体を否定するものではないとしつつ、それをあたかもDogecoin自身に不可欠な要素であるかのように見せるマーケティングには説得力がないとの考えを示した。