Anthropicでエンジニアリングマネジャーを務めるフェリックス・リースバーグ氏が、自身のチームの採用選考から従来型のコーディング面接を外した。AIがソフトウェア開発を大きく変える中、従来のテストでは実務能力を見極めにくいとの判断だ。
米Business Insiderが28日(現地時間)に報じたところによると、リースバーグ氏はブログとX(旧Twitter)への投稿で、今月からチームの採用プロセスで従来型のコーディング面接を廃止したと公表した。
同氏は、Reactを使った簡単な課題を出したり、アセンブリ言語の知識を問うたりする方式は、もはや有効ではないと主張する。AnthropicのAIモデル「Claude」の方がそうした課題をうまくこなせるうえ、面接課題で高評価を得たとしても、実際の業務成果に直結するとは限らないためだ。
ただ、この判断はあくまで同氏が担当するチームに限ったものだ。Anthropic全体でコーディング面接を廃止したわけではない。同社の採用ページには、技術職の応募者に対し、リアルタイムのコーディング環境を使った面接を実施すると明記されている。
リースバーグ氏は、AI時代には職歴そのものよりも、問題を見つけて解決策を形にする力が重要になったと強調した。職歴が短くても、事業目標を理解し、具体的な変化を生み出せる開発者であれば、長年の経験を持つ人材を上回る可能性があるとしている。
また、若手開発者に対しては、積み残しの開発タスクをこなすことだけに集中するのではなく、会社が解くべき問題を自ら見つけ、大胆なアイデアを動くプロトタイプとして形にするべきだと助言した。機能を盛り込みすぎるより、説得力のある中核アイデアを示す方が効果的だという。
実例として同氏は、Anthropicに最近加わったエンジニア2人が週末の間に「Claude Code」のGUIのプロトタイプを開発し、その約8日後には最初の公開版がリリースされたと紹介した。
一方で、AIを使って成果を上げる人材をどう評価するかについては、同氏自身も明確な答えを持っていないという。現時点では、応募者の履歴書やポートフォリオを通じて、ユーザーへの共感、プロダクト感覚、原則に基づく思考が表れた試作品を重視していると述べた。