Bitwiseはビットコインが2036年に159万ドル台へ達するとの見通しを示した。写真=Shutterstock

資産運用会社Bitwiseは28日(現地時間)、2036年のビットコインの基本シナリオにおける目標価格を159万9766ドルに上方修正した。機関資金の流入拡大や供給制約、政府債務の増加を背景に長期強気の見方を示す一方で、規制面と技術面のリスクも併せて示した。

Bitcoin Magazineが報じたところによると、Bitwiseは「2027年長期資本市場仮定」報告書で、従来の130万ドルとしていた見通しを約1年ぶりに引き上げた。

今回の予想は、2026年9月30日時点のビットコイン価格8万3557ドルを起点に、年平均34.3%の複利成長率を前提としたもの。保守的シナリオは13万686ドル、強気シナリオは367万ドルとした。

同日のビットコインは8万500ドル前後で推移した。

Bitwiseは価格見通しの根拠として、機関投資家によるポートフォリオへの組み入れ拡大、限られた新規供給、政府債務の拡大を挙げた。機関投資家の需要が増える一方で、新規発行量はあらかじめ定められたスケジュールによって抑えられており、政府債務の膨張は供給量の限られた資産への選好を強める可能性があると分析している。

同社は、総額147兆ドル規模の資産を運用する機関投資家が、ポートフォリオの1〜5%をビットコインに配分した場合、約1兆5000億〜7兆4000億ドルの需要が発生し得ると試算した。

これに対し、年間の新規発行額は約140億ドルにとどまるとし、この需給ギャップが価格上昇を後押しする可能性があるとの見方を示した。

規制環境についても重要な変数と位置付けた。米連邦準備制度理事会(Fed)による銀行カストディ関連の資本規制緩和案が採択されれば、大手機関の市場参入が進みやすくなる可能性があるとしている。

一方で、Clarity法の議会通過が頓挫した事例を挙げ、制度面の改善が遅れたり、中断したりする可能性もあると指摘した。

市場サイクルを巡っては見方が分かれている。ビットコインは2025年10月の高値12万6080ドルから、2026年6月30日の安値5万8717ドルまで53.4%下落した。

Bitwiseは、過去の下落率が77%、84%、86%だったことを踏まえると、今回の調整幅は相対的に小さかったと評価した。投資家層の拡大によって4年周期の影響力は弱まるとの見方も示したが、別の分析者は従来の半減期パターンがなお有効だとみている。

ボラティリティの低下も、長期見通しの前提の一つに据えた。Bitwiseは、現状と2036年予想の中間値を用い、今後10年の平均ボラティリティを27.8%と仮定した。

Grayscaleのリサーチ責任者は、直近1年のボラティリティが43%と、10年平均の64%を下回っていると説明した。Deutsche Bankのアナリストは、これを市場成熟のシグナルと捉えている。

その一方で、Charles Schwabのリサーチは、ボラティリティが低下しても急落リスクは残るとの見方を示した。

技術面でのリスクにも言及した。Bitwiseは、量子コンピューティングとAIが加速させる数学的進歩によって、ビットコインのウォレットを保護する暗号技術が脅かされる可能性があると指摘した。

その対応には将来的に大規模なネットワークアップグレードが必要になる可能性があるほか、新しいアドレスに資金を移せない保有者はリスクにさらされる恐れがあると警告した。開発者はこの1年で一定の進展を得たものの、主要な課題はなお解決していないと説明している。

報告書は、価格見通しを単なる数値予測としてではなく、機関資金の流入、供給構造、ボラティリティの変化と結び付けて示した。長期的な強気見通しと同時に、規制面と技術面のリスクも明示した点で、市場の成熟度を占う材料となりそうだ。

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