写真=Ripple公式サイト

Rippleのステーブルコイン「RLUSD」が、Moody'sから投資適格の信用格付けを取得した。準備金の構成や受託体制が評価され、短期格付けでは最上位の「P-1」を獲得した。一方で、発行体が親会社の破綻リスクから法的に完全には切り離されていない点は、課題として指摘された。

ブロックチェーンメディアのU.Todayが28日(現地時間)に報じたところによると、Moody's Investors ServiceはRLUSDに長期信用格付け「A2」、短期信用格付け「P-1」を付与した。P-1はMoody'sの短期格付けで最上位に当たり、短期債務の返済能力と流動性に対する高い信頼を示す。

今回の格付けは、デジタル資産市場の決済トークンに、従来の信用評価の枠組みを適用した事例として注目される。Moody'sは、RLUSDの償還運営について、安定した商業銀行の短期債務履行に準じる水準の信頼性があると判断した。

高格付けの背景には、RLUSDの準備金管理体制がある。Rippleは、発行残高に対して103%の準備金を確保する方針を掲げている。準備金は現金同等の米ドル建て資産と短期米国債で構成し、価格変動リスクを抑えながら流動性を確保する設計としている。

受託の仕組みも評価材料となった。Bank of New York Mellon(BNY)が主要な独立受託機関に指定され、第三者の商業銀行に預ける現金残高は5000万ドル(約75億円)を上限とする。こうした現金リスクは、BNYの分別口座で保管される米国債を通じて抑える仕組みだという。

償還条件も明確に定められている。Ripple子会社のStandard Custody & Trust Companyは、確認済みの機関投資家から請求があった場合、2営業日以内にRLUSDを額面どおりの法定通貨で償還しなければならない。

Rippleは金融インフラの整備も進めている。10月26日には、米国通貨監督庁(OCC)からRipple National Trust Bank設立に関する最終承認を得た。同法人は今後、RLUSD準備金の受託を担い、トークンの保管・管理体制を強化する見通しだ。

もっとも、Moody'sはRLUSDの法的構造に残るリスクも挙げた。長期格付けがA2にとどまった背景について、発行体が親会社であるRippleグループの破綻リスクから法的に完全分離されていない点を理由に挙げている。

この構造では、RLUSDの最終保有者は、BNYで保管される準備金資産に対して直接の請求権を持たない。発行体が裁判所命令などで業務停止に陥った場合、トークンの償還手続きにも影響が及ぶ可能性がある。準備金が十分でも、法的分離が不十分であれば、保有者が資産を回収する過程で不確実性が生じ得るという見方だ。

そのため、今後の格付け改善は、準備金の安定性だけでなく、法的保護の枠組みをどこまで強化できるかに左右される。Moody'sは、信託銀行の枠組みを整備しても、発行体と親会社の法的分離が自動的に担保されるわけではないとし、具体的な法務・運用設計が重要になるとの見方を示した。

今回の評価は、ステーブルコイン市場で、準備金の質や償還能力、受託機関の信頼性に加え、発行体の倒産リスクから保有者を守る法的な仕組みの重要性が高まっていることを示した。RLUSDが制度金融との接点を広げる中、法的な脆弱性の解消が信頼性向上に向けた重要課題として残っている。

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