中国自動車大手のCheryは、5分で最大500km走行分の電力を充電できるとうたう超急速充電システム「Volt-dragon」を披露した。あわせて、2029年までにV2G対応の充電所を世界で2万カ所整備する計画も明らかにした。
InsideEVsによると、同社は20日、安徽省蕪湖で開催したグローバル・イノベーション・カンファレンスで、「Volt-dragon」と車両と電力網を双方向につなぐV2G技術を公開した。
Cheryは、「Volt-dragon」により5分で約500km走行分の電力を補充できると説明している。中国メディアの報道では、常温環境の試験でバッテリー残量を10%から97%まで引き上げるのに6分50秒を要したという。
充電設備の最大出力は1.44MW、最大電流は1500A。ただ、実車がこの出力をどの程度活用したのかは確認されていない。試験車両の詳細やバッテリー容量、航続距離の算定基準も公表されていない。
同社は使い勝手の向上も打ち出した。充電ケーブルとコネクターの重量を合計約2kgまで抑え、動作音は50dB以下とする。今後は、ロボットアームが車両に充電器を自動接続する方式の導入も進める方針だ。
充電所では、太陽光発電とエネルギー貯蔵装置(ESS)、V2Gを組み合わせる。電力料金の安い時間帯に車両を充電し、需要が高まる時間帯には蓄えた電力を電力網に戻す運用を想定している。
まずは中国の10都市で100カ所の充電所を整備し、その後、2029年までに世界でV2G対応充電所2万カ所の整備を目指す。2027年上半期には、バッテリーEV「Fulwin A9」にV2G機能を搭載する計画だ。
中国では超急速充電を巡る開発競争が一段と激しくなっている。BYDは5分で400km走行分を充電できる技術を発表し、吉利汽車は最大出力2250kW級の充電システムを公開した。
一方で、Cheryは「Volt-dragon」の性能に対応する量産車の投入時期や商用化スケジュールを明らかにしていない。実使用環境で発表通りの性能を実現できるかが、今後の競争力を左右することになりそうだ。