米EV大手Teslaが、ベトナム市場への参入に向けて現地採用を開始した。販売やサービスに加え、充電網整備に関わる人材も募集しており、事業立ち上げを本格化させる。一方で、現地市場では地場EVメーカーVinFastとの競争が避けられない見通しだ。
米メディアElectrekが28日付で報じたところによると、Teslaのアジア太平洋地域の採用担当者リッキー・イップ氏は、X(旧Twitter)を通じてベトナム進出計画を明らかにし、現地採用の開始を公表した。
募集職種は、営業マネジャー、サービスマネジャー、人事担当、購買マネジャー、充電プロジェクト開発担当の5職種。充電関連人材を含めたことから、現地でスーパーチャージャー網の整備も進める可能性があるとの見方が出ている。
Teslaは9月11日、ホーチミン市に現地法人「Tesla Motors Vietnam」を設立した。資本金は約777億ドン。事業内容として、自動車および部品の輸入、流通、販売などを登録している。
ただ、ベトナム市場に投入する車種や価格、店舗の所在地、販売開始時期は公表していない。現地生産計画も確認されておらず、当面は輸入車を中心に販売する可能性がある。
最大の競合とみられるのは、ベトナムのEVメーカーVinFastだ。VinFastは今年1〜9月にベトナムで17万7697台を納車し、新車市場全体の約36%を占めた。Toyota、Hyundai、Mitsubishi、Ford、Kiaの主要5ブランド合計を上回る規模となる。
VinFastはハイフォンに生産拠点を持ち、グループ会社V-Greenを通じて充電インフラでも優位性を築いている。これに対しTeslaは、輸入車にかかる関税負担に加え、自社の充電網整備の遅れが課題となりそうだ。
ベトナム政府が、純電気自動車の初回登録手数料免除を2030年末まで延長した点は追い風となる。この優遇措置は輸入EVにも適用される。
もっとも、VinFastの販売実績には、グループ傘下の電動タクシー・配車事業者GSM向け供給分も含まれており、一般消費者向けの競争力とは切り分けてみる必要がある。
Teslaがベトナムで販売網と充電網をどこまで早期に整備できるかが、VinFastとの競争力を左右しそうだ。