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ブラジル最大の民間銀行Itaú Unibancoが、暗号資産サービス事業者としてブラジル中央銀行に登録した。対象業務は暗号資産の仲介とカストディで、同国の新たな認可制度に対応する動きとなる。

ブロックチェーンメディアのBitcoin Magazineが28日(現地時間)に報じた。ブラジル中央銀行は、顧客に代わって暗号資産を保管、移転、取引する事業者に対し、規制対象としての登録を求めている。

今回の登録は、Itaú Unibancoが新制度の下でも暗号資産事業を継続する姿勢を明確にしたものと受け止められている。同行が暗号資産の取引・カストディサービスを本格展開すれば、ブラジルの銀行業界では初の事例になるという。

カストディ事業者には厳格な要件が課される。顧客資産と自社資金の分別管理に加え、最低資本要件の充足が必要となる。さらに、証券仲介業者に準じる水準のガバナンス、内部統制、マネーロンダリング対策(AML)への対応も求められる。

このため、認可を受けた銀行経由でサービスを利用する顧客は、規制外のアプリや海外取引所の利用者に比べ、より明確な法的保護を受けやすくなる。一方、事業者側には規制対応コストに加え、監査や報告義務の負担が重くなる。

Bitcoin Magazineは、規制下の暗号資産事業ではコンプライアンス費用や監査義務、報告責任が増し、小規模な競合にとっては重荷になり得ると指摘した。

Itaú Unibancoの暗号資産事業は、新制度導入前から進んでいた。2022年にはトークン化プラットフォームを構築し、暗号資産カストディ事業の計画を公表している。

さらに2025年末には、投資アプリ「Ion」を通じて個人顧客がビットコインを売買できるようにした。当時、Ionで扱う暗号資産はItaú Unibancoが直接カストディしていたとされる。今回の登録によって、こうした既存の取り組みが制度上の枠組みに正式に組み込まれる形だ。

制度変更は2025年から2026年初めにかけて集中した。ブラジル中央銀行は決議案519号、520号、521号を通じ、暗号資産サービス事業者向けの新たな認可区分「SPSAV」を設け、関連規定は2026年2月2日に施行された。

新制度では、事業者を仲介業者、カストディ業者、ブローカーの3区分に分類する。顧客資産と会社資産の分別、最低資本要件、顧客保護、ガバナンス、内部統制、セキュリティ、AML基準を一体的に求める内容となっている。

このうち決議案521号では、暗号資産取引が外為規制の枠組みに組み込まれた。認可を受けていない相手方との移転取引には10万ドル(約1500万円)の上限が適用され、越境の暗号資産移転を規制されたチャネルに集約する色彩が強い。

Itaú Unibancoの今回の届け出が注目される背景には、制度移行のスケジュールもある。新制度の施行時点ですでに営業していた事業者には、猶予期間内に認可申請を行うことが求められていた。

規制強化は今後も続く見通しだ。ブラジル中央銀行は2026年7月1日、さらに厳格なルールも承認した。2027年以降は、事業者に対して証券ブローカーやディーラーに近い水準の財務健全性要件が課される。

また、簡素な規制が適用される小規模銀行群「セグメント5」に属する機関については、暗号資産サービスの提供が禁じられた。

こうした制度変更により、ブラジルの暗号資産市場は資本力のある金融機関を中心に再編される可能性が高まっている。Itaú Unibancoは、こうした規制の方向性の中で相対的に恩恵を受ける側に回る可能性がある。

ブラジルの大手銀行が暗号資産を海外プラットフォームに委ねるのではなく、国内の金融システムの中で取り込もうとする流れも、今後いっそう鮮明になりそうだ。

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