Samsung SDIは10月29日、2026年第3四半期連結決算を発表した。売上高は4兆6856億ウォン、営業利益は4078億ウォンで、AIデータセンター向けESS(エネルギー貯蔵装置)とBBU(バッテリーバックアップユニット)の販売拡大が収益を押し上げ、前年同期の赤字から黒字転換した。
売上高は前年同期比52.6%増、営業利益率は8.7%だった。営業利益は前四半期の2038億ウォンから約2倍に拡大し、2023年第3四半期の4960億ウォン以来、12四半期ぶりの高水準となった。前年同期は5913億ウォンの営業赤字だった。売上高も前四半期の3兆8765億ウォンから20.9%増加した。
業績改善を主導したのは電池事業だ。電池部門の売上高は4兆4099億ウォンで前年同期比55.3%増、営業利益は3619億ウォンと黒字転換した。AIデータセンター市場の拡大を追い風に、ESSとBBUの販売が大きく伸びたほか、電動工具向けや電気自動車向けの円筒形電池の販売増も寄与した。
電子材料部門は、売上高が2757億ウォン、営業利益が459億ウォンだった。前年同期比ではそれぞれ18.9%増、18.3%増。半導体パターニング材料や、折りたたみ型スマートフォン向けディスプレイフィルム材料の販売増が業績を支えた。
同社は、米国でESS需要が拡大しており、年初来の受注量が60GWhを超えたと明らかにした。米インディアナ州のSynergy Cells工場をESS電池の生産拠点として活用し、段階的な増設を通じて生産能力を確保する方針だ。
LFP(リン酸鉄リチウム)電池事業も本格化している。米Star Plus Energy(SPE)工場では高容量の角形LFPセルの量産を開始し、欧州では電気自動車向けLFP電池のプロジェクトを確保した。
また、主要素材メーカーとLFP正極材の長期供給契約を締結した。米国市場で高まる「脱中国」需要への対応策としている。
AIデータセンター向け製品の拡充も進める。最近はBBU向けの円筒形LFPセルを公開しており、今後は適用分野を広げてLFP事業の拡大につなげる考えだ。
次世代分野では、全固体電池のヒューマノイド向けサンプルを出荷した。円筒形電池では、宇宙航空分野とヒューマノイド分野で新規顧客を確保したという。
第4四半期について同社は、ESS市場の成長は続く一方、電気自動車市場は欧州需要が増加するものの、米国では当面鈍化が続くと見込む。米国内のLFP電池ライン転換を前倒しするとともに、協議中の電力用ESSおよびUPS(無停電電源装置)の長期供給契約を年内に確定する計画だ。
国内ESS市場では、第3次中央契約市場の入札に参加し、プレゼンス拡大を狙う。小型電池事業では、既存のグローバルCSP向け供給を拡大し、新規顧客の獲得も進める。
電気自動車用電池では、ハンガリーの生産拠点における量産ラインとサプライチェーンの構築を計画通り進める。電子材料事業では半導体パターニング材料の販売拡大を進めるほか、OLED(有機EL)材料では主要顧客の新規プラットフォーム参入に注力する方針だ。
同社は「収益性に基づく中長期成長を継続的に推進する」としたうえで、「第4四半期もESSと小型電池事業の堅調な成長が続き、黒字基調を維持できる」との見方を示した。