Appleは、長年否定的な姿勢を示してきたタッチスクリーンMacの投入について、その狙いを明らかにした。MacBook Proに搭載したタッチ機能は既存の操作体系を置き換えるものではなく、技術の進化とユーザーの操作習慣の変化を受けた補完的な機能だとしている。
9to5Macなど海外メディアによると、Apple幹部は28日(現地時間)までに行ったインタビューで、MacBook Proへのタッチ機能搭載の背景を説明した。Appleは14インチと16インチの新型MacBook Proを発表した直後、今回の方針転換について見解を示した。
ジョン・ターナス氏は、Macの中核となる体験はこれまで通り、トラックパッドとキーボードによる間接入力にあると説明した。そのうえで、タッチ操作が便利で有効な場面もあり、画面を直接触れて操作するほうが適したケースもあると述べた。
また、タッチ機能の追加は、MacBook Proの製品設計やほかの要素を犠牲にしないことが前提だったと強調した。
方針転換の背景には、ハード・ソフト両面での技術進化がある。ジョニー・スルージ氏は、この10年で技術が大きく進歩し、Appleの基準を満たすタッチスクリーンMacを実現できる段階に至ったと説明した。
具体的には、自社設計シリコンに加え、ディスプレイに触れた際の熱を抑える熱設計や、タッチ時の画面の揺れを抑えるヒンジ設計などを採用した。Appleは、こうした改良によってタッチ機能を加えながらも、従来のMac体験を維持することを重視したとしている。
グレッグ・ジョズウィアック氏は、ユーザー側の変化も導入理由の一つに挙げた。画面を直接触って操作することに慣れた世代のユーザーが増え、タッチ操作への期待が高まっているという。
さらに、エンジニアや科学者、ソフトウェア開発者、メディア制作者などのプロユーザーからも、Macへのタッチ機能搭載を求める声が寄せられていたと付け加えた。
Appleはこれまで、スティーブ・ジョブズ氏やフィル・シラー氏ら主要幹部の発言を通じて、タッチスクリーンはMacに適さないとの立場を示してきた。ただ、技術の進化によって従来の体験を損なわずにタッチ機能を実装できるようになったことから、今回の方針転換に踏み切ったとみられる。
これに合わせて、macOS側もタッチ操作に対応する形で調整を加えた。ダイナミックアイランド向けの新たなジェスチャーも導入した。
一方、タッチ機能をほかのMac製品群にも広げるかどうかについては、現時点で具体的な方針は明らかにしていない。AppleがタッチをMacBook Proの補完機能にとどめるのか、ほかのラインアップにも展開するのかが注目される。