ビットコインは足元で、S&P500を日次ベースで上回る確率が再び50%を超えた。ただ、10月の累積パフォーマンスではなおS&P500に見劣りしており、ビットコイン現物ETFへの資金流入もBlackRockの「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」に集中している。
CryptoSlateが10月28日(現地時間)に報じたところによると、オンチェーン分析企業Glassnodeが集計したビットコインの対S&P500日次勝率は、6月の約20%から足元で50%超へ回復した。6月は約5営業日に1日しかS&P500を上回れず、約6年ぶりの低水準だった。
10月に入ってから26日までを同じ取引日ベースで比べると、ビットコインは18取引日のうち10日でS&P500を上回り、勝率は55.6%だった。一方、同期間の累積ではビットコインが4.25%下落したのに対し、S&P500は0.33%上昇。パフォーマンス差は4.58ポイントまで広がった。
ビットコインが上回った10取引日の平均差は約0.71ポイントだったのに対し、下回った8取引日の平均差は約1.44ポイントと大きかった。日次の勝率は改善したものの、下落日の値幅が相対的に大きく、月間成績の逆転にはつながっていない。
ビットコイン現物ETF市場では、資金流入がIBITに偏っている。Coinbase Institutionalのレポートによると、8月1日以降のIBITへの純流入は約60億ドル(約9000億円)。これに対し、他のビットコイン現物ETFの純流入額は合計で約5億ドル(約750億円)にとどまった。
その後も他のETFで資金流出が続いた結果、IBITへの集中は一段と鮮明になった。Farside Investorsによると、8月3日から10月26日までのIBITの純流入は約57億ドル(約8550億円)で、他のETFは合計約2億2100万ドル(約332億円)。全体の純流入額に占めるIBITの比率は約96.3%に達した。
現物市場の需要もなお弱い。ステーブルコインの供給量は5月の高値から約127億ドル(約1兆9050億円)減少した。加えて、海外暗号資産取引所に対する買い需要の強弱を映すCoinbaseプレミアムの7日移動平均も、10月を通じてマイナス圏で推移している。
オプション市場では、下落リスクへの警戒感も強まっている。Glassnodeによると、プットとコールのインプライド・ボラティリティ格差を示す25デルタ・スキューは8.9%から10.4%へ上昇した。
日次の相対優位は持ち直しているものの、月間リターンの改善やETF全体への資金流入の広がりにはなお結び付いていない。今後は、IBIT以外のETFにも資金流入が波及するか、現物の買い需要が持ち直すかが、ビットコイン相場の基調を見極めるうえで焦点となる。