EV充電事業の競争軸が、充電器の高出力化そのものから、稼働率や運営力へと移りつつある。高速道路のサービスエリアに充電需要が集中するなか、事業者の競争力は設備の出力だけでなく、故障の少ない運用や正確な拠点情報の提供によって左右されるという見方だ。
BrightEnergyPartnersのEV充電事業部門Waterは22日、平沢堤川高速道路の金旺サービスエリア(堤川方面)で記者懇談会を開き、400kW級の超急速充電器を備えた拠点を報道陣に公開した。Waterのユ・デウォン代表は「重要なのは総合的な運営力と稼働率だ」と述べ、「運営を徹底し、利用者の信頼を獲得して再訪につなげることがWater事業の中核になる」と語った。
Waterが先月公表した分析によると、急速充電器の新規設置は3年連続で減少した。一方、秋夕連休中のサービスエリアにおけるEV充電利用は、2年間で4.2倍に増えたという。EV販売の拡大に伴って高速道路の通行量も増え、サービスエリアの充電需要に直結したとしている。
もっとも、需要拡大に合わせて事業者が投資を急速に増やせる環境にはない。サービスエリアの充電事業者は韓国道路公社の入札で事業権を確保する仕組みで、契約期間は10年に限られる。
ユ代表によると、欧州では道路運営主体が充電事業者と15〜20年の契約を結ぶ例が多い。充電需要と収益は契約後半に大きくなる傾向があるため、10年で投資を回収しようとすれば、事業者は投資額を抑えざるを得ない。その結果、設置水準や運用品質の低下につながりかねないという。
料金面でも、事業者が市場需給に応じて柔軟に対応しにくい構造がある。入札では料金が評価項目となるため、気候エネルギー環境部が定める公共充電料金が事実上の基準になるからだ。
ユ代表は、料金算定の明確な方式や見直しサイクルが定まっておらず、投資回収の見通しを立てにくい点も課題に挙げた。
こうした契約期間や料金の制約下で、収益を左右する指標として同氏が重視するのが回転率だ。Waterの高速道路向け充電器は、1基当たり1日平均11回利用されており、市街地や幹線道路沿いの充電器の平均3回を大きく上回る。
利用は正午から午後3時に集中する。この時間帯に流入する車両へ高出力で対応できるほど、売り上げの拡大につながるという。
高速道路では、サービスエリアが事実上唯一の充電場所となるケースが多い。このため、利用可能な充電器があるかどうかを正確に伝えられるかが再訪に直結する。回収期間や料金を自ら決めにくい事業者にとって、利用者が安心して向かえる拠点づくりは回転率向上の有力な手段になる。
Waterが400kW級充電器を導入したのも、利用が集中する時間帯に、より多くの車両を受け入れるためだ。ユ代表は「運営期間中、車両側が受け入れられる充電出力は継続的に高まると見込んで実施した投資だ」と説明した。
一方で、同氏は、他の事業者の間では現時点での400kW級設備を過剰投資とみる声もあると付け加えた。
海外ではすでに、こうした運営力が充電事業者の競争力を左右しているという。ユ代表はオランダの充電事業者Fastnedを例に挙げ、「充電器が故障せず使えるという信頼が蓄積され、利用者がバッテリー残量10〜20%の段階で到着する」と紹介した。
バッテリー残量が低いほど充電速度は上がりやすく、同じ時間でもより多くの電力量を販売できるためだ。
ユ代表は今後の高速道路充電市場について、「競争の基準は単なる出力ではない」と指摘し、可視性、予測可能性、稼働率の3点を挙げた。
充電速度は一定水準を超えていれば十分で、利用者は充電中に食事など別の行動を取るため、出力差だけで拠点を選ぶわけではないというのが同氏の見立てだ。
さらに今後、エージェントが充電拠点を検索して案内するようになれば、情報の正確性は一段と重要になるとした。Waterでは、故障や点検による停止を除き、利用可能な状態を保てた時間の比率を示す稼働率を99%で維持しているという。
ユ代表は「利用者がサービスエリアに到着した時、使える充電器があるかどうかを正確に伝え、故障や点検で止まる時間を減らしてこそ、利用者はその拠点を選ぶ」と強調した。
Waterは、投資回収負担があるなかでも、サービスエリア向け充電器への投資を継続する方針だ。ユ代表によると、サービスエリアに充電器を1基設置するには1億ウォン超がかかる。
韓国道路公社の入札で年間受注台数が少ない年でも100基、多い年は200基に上る点を踏まえると、年間投資額は100億〜200億ウォンに達する。さらに民間資本が入るサービスエリア案件まで加われば、設備投資だけで年間200億ウォン超が必要になるという。
ユ代表は「Waterは社内ベンチャーとして始動し、現在は事業部門として運営しているが、来年ごろには別会社として分社化する予定だ」と述べた。そのうえで「運営を徹底し、利用者の信頼を得て、再訪を継続的に生み出していく」と話した。