雲に覆われた衛星画像の復元やSAR画像の光学画像変換に対応するAI基盤モデル「GeoCore-9B」。写真=KAIST

KAISTは10月20日、キム・ムンチョル電気・電子工学部教授の研究チームが、雲に覆われた衛星画像の復元とSAR(合成開口レーダー)画像の光学画像変換に対応するAI基盤モデル「GeoCore-9B」を開発したと発表した。災害対応や国防分野での活用を想定する。

GeoCore-9Bは、約90億パラメーターを持つ生成AIの基盤モデルだ。衛星画像の生成、復元、変換といった幅広いタスクへの活用を見据えて設計した。

学習には、世界各地の衛星画像と説明文1000万組を用いた。一般的な画像生成モデルの転用ではなく、地形、森林、港湾、都市などの地球観測データを基に、コアモデルをゼロから学習させた点が特徴という。

撮影位置や空間スケールも学習に反映した。緯度・経度に加え、地上画素寸法(GSD)を取り込み、地理的位置と実際の地形の大きさを考慮できるようにした。さらに、道路の接続や農地の境界といった地形構造を学習する「地理空間セマンティックアラインメント」手法も適用した。

研究チームは、このモデルを雲除去とSAR画像の光学画像変換に適用した。追加学習では、コアモデルを維持したまま一部のパラメーターのみを調整するLoRA(Low-Rank Adaptation)を採用し、学習負荷を抑えた。

公開衛星データを使った評価では、雲除去の主要な画質指標で既存の専用モデルを上回る性能を示したという。SAR画像を光学画像に変換する実験でも、一部の品質評価指標で最高水準の結果を記録したとしている。

KAISTは、雲や撮影方式の制約で活用が限られていた衛星データの利用範囲を広げる可能性があるとみている。今後は、洪水や山火事、建物損壊、都市拡張などの地形変化の予測に加え、国防分野の監視・偵察技術にも研究を広げる計画だ。

キム教授は「衛星画像の撮影位置と実際の地形の大きさまで学習させることで、1つのAIを雲除去や画像変換など複数のタスクに活用できるようにした」と説明。「災害状況の把握や森林・都市の変化観測に役立つことを期待している」と述べた。

今回の研究では、ト・ジョンヒョクKAIST情報電子研究所博士が筆頭著者、キム教授が責任著者として参加した。研究成果は、国際AI学会議「NeurIPS 2026」に採択された。

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