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Microsoftで人事担当バイスプレジデントを務めた人物が、企業における人工知能(AI)活用について、創作業務を任せるよりも、異論の洗い出しや長文の要約、蓄積データの整理に重点を置くべきだと提言した。AIの出力をうのみにせず、最終判断を人が握ったまま反復作業の負担を減らす使い方が有効だとしている。

米Business Insiderが19日(現地時間)に報じた。同氏は、企業が従業員向けにAIツールの導入を急ぐ中、経営層が実務で優先的に活用しやすい3つの用途を示した。

1つ目は、AIを異論や別視点を得るための相手として使うことだ。文章作成や画像生成といった創作分野では、出力が平板でありきたりになりやすい一方、既存の主張を点検する段階では有効だという。

具体的には、AIに「見落としている点は何か」「どこが間違っているのか」と問いかけ、自分の判断を検証する使い方を勧めた。自説を補強する回答だけを求めるのではなく、あえて反対意見を引き出すことで、同僚との議論や意思決定の前に弱点を洗い出せるとしている。

たとえAIが問題点を正確に突けなかったとしても、別の角度から考えるきっかけになること自体に意味があるとした。主張そのものをAIに作らせるのではなく、必要なときに異なる視点を素早く確認できる点を評価している。

2つ目は、長文の文書や回答を要点ベースで圧縮することだ。AIが生成した文書が長文化しやすかったり、単純な質問にも冗長な回答が返ってきたりする場合でも、要約機能を使えば主要ポイントを短時間でつかめるという。

ただし、AIの要約をそのまま完全な説明として受け取るべきではないと強調した。まず要約で全体像を把握し、そのうえで原文に戻って根拠や詳細を確認する運用を想定している。一見すると、AIが作った長文を再びAIで要約するのは二度手間にも映るが、要点の選別にかかる時間を減らす効果があるとしている。

3つ目は、ファイルやメールなど蓄積データの整理と分類だ。並べ替えやフィルタリング、分類のように、ルールが比較的明確で反復性の高い作業は、現在のAIが力を発揮しやすい分野だと説明した。

新たなコンピュータシステムにデータを移行する過程では、AIを使って既存のプログラムやファイル、設定の一覧を確認した結果、数十年分の不要データが大量に見つかったという。ギガバイト単位のプログラムやファイル、設定を精査し、移行対象のおよそ90%を除外したとした。

受信トレイにメールが8000通たまっている場合や、文書フォルダが過度に肥大化している場合でも、AIは全体像の把握や棚卸しに役立つと助言した。一方で、整理や分類を任せることと、その後の措置まで自動実行させることは別だと線を引いた。

メールやメッセージ、文書などをAIに自動送信させるべきではなく、こうした作業を十分な検討なしに任せてはならないとも強調した。AIが整理した結果を人が確認し、送信や削除といった重要な措置は人が最終判断を下すべきだという。

企業でAI導入が広がる中、同氏の助言は、AIに任せる範囲と人が担う役割をどう切り分けるかに焦点を当てたものだ。創作や判断を全面的に委ねるのではなく、異論の検証、要約、データ整理といった反復業務の補助に活用することで、実務の効率を高められるとしている。

要するに、AI活用の要諦は、すべてを代替させることではない。膨大な情報から要点を抽出し、見落としを点検し、不要データをふるいにかける役割をAIに担わせつつ、重要な判断と実行は人が統制すべきだと結論付けた。

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