CXMTは2028年までにDRAM生産能力を大幅に引き上げる見通しだ。写真=Shutterstock

中国のメモリ半導体メーカーChangXin Memory Technologies(CXMT)が、2028年までにDRAMの生産能力を大幅に引き上げる見通しだ。もっとも、増産分は中国国内向けが中心となる可能性が高く、世界的なメモリ需給の改善効果は限定的とみられる。

19日付けのTechRadarによると、市場調査会社Counterpoint ResearchとTrendForceは、CXMTのDRAMウエハー生産量が2026年の約32万枚から、2027年には42万枚に増えると予測した。2028年には50万〜60万枚に達する可能性もあり、強気のシナリオでは2026年比でほぼ2倍の規模となる。

注目されるのは、CXMTが人工知能(AI)向けで需要の強い高帯域幅メモリ(HBM)ではなく、PCなどに使われる汎用DRAMの増産を進めている点だ。ただ、生産能力の拡大がそのまま世界の供給逼迫の緩和につながるとは限らない。

最大の焦点は、増産分の仕向け先だ。中国国内のメモリ需要は大きく、生産量の大半が自国市場向けに振り向けられる可能性が高い。中国政府も海外販売より国内需要の充足を優先する公算が大きく、アジア以外の地域の需給に与える影響は限られそうだ。

実際、CXMT製メモリは一部の欧米メーカーで採用されているものの、供給規模はなお限定的だ。価格競争力もはっきりしない。CXMT製品の価格はSamsung Electronics製品と同水準とされており、生産量が増えても海外市場で調達コストの低下に直結するとは言い切れない。

メモリ不足の長期化を警戒する声も出ている。Dellの最高経営責任者(CEO)、マイケル・デル氏はWall Street Journalのインタビューで、メモリ供給問題が最大4年続き、2030年まで長引く可能性があると述べた。来年にはメモリ不足がさらに深刻化しかねないとの業界の懸念を裏付ける発言と受け止められている。

CXMTの増産は、汎用DRAMの供給拡大に一定の効果をもたらす可能性がある。一方で、中国国外の市場で需給バランスを大きく変えるほどのインパクトを持つかは不透明だ。メモリ価格の上昇と供給不足が続くなか、今後の市場は生産能力そのものだけでなく、実際の供給がどの地域に配分されるかに左右されることになりそうだ。

キーワード

#CXMT #DRAM #メモリ #半導体 #中国 #AI #HBM
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.