写真=(左から)Samsung ElectronicsのDS部門の事業所(施設)、SK hynixのHBM4の構造模型

Samsung ElectronicsとSK hynixの株価が急落した。両社とも過去最高水準の業績が見込まれているが、米AIデータセンター企業の資金調達不安に加え、米追加利上げへの警戒が強まり、メモリ需要の先行きに対する懸念が売りを誘った。市場では、株価反発のタイミングはAIデータセンター向け投資を支える資金調達環境の改善時期に左右されるとの見方が出ている。

Samsung Electronics株は6日から下落基調となり、14日を除いて連日下げた。15日の終値は、下落前の2日終値に比べ24.8%安だった。

SK hynixは同じ期間に7営業日続落し、下落率は32.8%に達した。15日には前日比12.76%安と、この局面で最大の下落率を記録した。16日は両社とも小反発したが、下落分を埋めるにはなお時間を要する水準にある。

1990年以降でみると、Samsung Electronics株が1週間でこれほど大きく下げたのは今回を含め5回にとどまる。過去4回は、1997年と1998年の通貨危機、2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマン・ブラザーズ破綻直後だった。

週間下落率が最も大きかったのは2000年で、22.3%安だった。新型コロナウイルス禍の2020年3月でも、週間の最大下落率は11.6%にとどまった。経済危機局面ではない中でこれほどの下落となったのは、今回が初めてだという。

一方、業績見通しは株価と逆行している。Samsung Electronicsの第3四半期の暫定営業利益は107兆4000億ウォンで、前四半期比20%増。Hana Securitiesは、SK hynixの第3四半期営業利益を77兆9000億ウォンと試算している。メモリ事業だけで計180兆ウォン規模の利益を稼ぎ出した計算になる。

株価下落の背景として浮上しているのが、米AIデータセンター業界の資金調達環境だ。CoreWeaveは、NVIDIA製GPUを調達してデータセンターを構築し、その計算能力をAI企業に貸し出す事業を手掛ける。投資資金の相当部分を借り入れで賄ってきた企業であり、Samsung ElectronicsとSK hynixのメモリ需要先の一つでもある。

CoreWeave株は14日(現地時間)に15.46%下落した。同日、2032年満期の同社社債利回りも15%近くまで上昇した。債券市場で元本回収リスクへの警戒が強まったことを示している。

加えて、米国の9月の生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測が強まったことも重荷となった。借り入れで投資を拡大してきた企業ほど資金負担が増すためだ。翌15日の韓国株式市場では、両社株が週内で最大の下落率を記録した。

米データセンター企業の資金問題が韓国メモリ大手の株価に波及したのは、AIデータセンターの演算基盤にメモリが不可欠だからだ。NVIDIAのGPUには高帯域幅メモリ(HBM)が搭載され、サーバーにはDRAMも使われる。NVIDIAはCoreWeave株の10%を保有する株主であり、GPUの供給元でもある。

CoreWeaveのような企業が資金を調達しにくくなれば、GPU発注の減速につながりかねない。そうなれば、HBMとDRAMを供給するSK hynixとSamsung Electronicsの需要にも影響が及ぶとの懸念が、株価に織り込まれた格好だ。メモリ事業の比重が高いSK hynixの下落率がより大きかったのも、この見方と整合的だ。

TSMCが市場予想を上回る第3四半期売上高を計上したにもかかわらず、台湾と日本の半導体株がそろって下落したことについても、市場がAI投資を支える資金調達の持続性を改めて点検し始めた兆候と受け止められている。

もっとも、過去の急落が通貨危機や金融危機といったマクロ危機を背景としていたのに対し、今回は成長期待そのものが崩れた局面ではないとの見方もある。過去4回の急落後、Samsung Electronics株はいずれも反発しており、4週間後には全て下落直後の水準を上回った。

業績見通しもなお強い。Hanwha Investment & Securitiesは、来年のSamsung Electronicsの業績成長をけん引する要因としてHBM4を挙げた。Hana Securitiesは、SK hynixが第3四半期決算の発表時に少なくとも30兆ウォン規模の追加株主還元策を打ち出すと見込む。もっとも、HBMの主な需要先が今回資金不安の震源となったAIデータセンターである以上、株価反発の時期は同分野の資金調達環境の改善が左右するとの見方が大勢だ。

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