9月に釜山BEXCOで開かれた「2026 気候産業国際博覧会」のSamsung Electronicsブースに展示された「EHS All-in-One」=写真:Samsung Electronics

Samsung Electronicsは10月7日、ソウルの大韓商工会議所で開かれた「韓国型グリーン大転換(K-GX)戦略 国民報告会」で、ヒートポンプ「EHS All-in-One」を軸に集合住宅向けの冷暖房・給湯電化事業へ本格参入すると発表した。2027年までに国内の供給体制を整備し、2028〜2029年に全国展開を進める。

同社は、政府が進める暖房電化政策に歩調を合わせ、段階的な事業拡大計画を示した。政府は2035年までにヒートポンプ350万台を普及させ、温室効果ガスを518万トン削減する目標を掲げている。戸建て向け支援に加え、集合住宅への普及拡大に向けた制度整備も進めている。

Samsung Electronicsは2026年に製品を投入し、2027年までに国内の供給体制を整備する計画。その後、2028〜2029年に全国規模での普及拡大に乗り出す。

「EHS All-in-One」は、空気熱源を使う住宅向けヒートポンプ。室外機1台で冷房、床暖房、給湯に対応し、エアコンとボイラーを別々に設置する必要がない。室外機の設置スペースが限られる集合住宅に適した構成だという。

また、大型ビル向け空調で使われてきた熱回収技術も採用した。夏場の冷房運転時に生じる廃熱を温水の生成に再利用し、給湯に必要なエネルギー消費を抑える仕組みとしている。

利用者は機器連携プラットフォーム「SmartThings」アプリを通じて、冷暖房や温水の状態確認、遠隔制御を行える。今後は太陽光発電やエネルギー貯蔵装置(ESS)との連携も広げ、世帯ごとのエネルギー使用管理を支援する方針だ。

製品発売に先立ち、実証も進めている。8月からは済州市道南洞の戸建て住宅で、性能やエネルギー効率、使い勝手を検証している。

京畿道龍仁市のSamsung C&T住居性能研究所では、集合住宅と同様の環境を構築し、電力消費量や運転騒音などを実測・分析している。主要建設会社とは、住戸面積ごとの冷暖房需要や給湯供給量、室外機室の規格を反映した施工標準ソリューションを整備し、試験適用する予定だ。

同社は今後、国内生産設備への投資や中核部品の国産化を拡大し、中小の協力会社や部品メーカーとの連携基盤を強化する。水原のCSアカデミーに設けた「EHSヒートポンプ専担教育場」では、配管施工、設置、試運転、アフターサービスの実習を通じて、B2Bパートナー企業や専門エンジニアの育成を進める。

あわせて、政府や産業界と連携し、集合住宅への普及に必要な制度やインフラの改善策も検討する。

Samsung ElectronicsのCR担当者、パク・スンヒ氏は「政府の暖房電化政策に合わせ、2027年までに国内の供給体制を構築し、2028〜2029年には全国規模での普及を本格化させる」と述べた。その上で、「2030年からは国内で蓄積した技術と普及の経験を基に、グローバル事業の拡大を進める」としている。

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