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アンドリュー・クオモ前ニューヨーク州知事は、米国の暗号資産規制が連邦当局の行政措置に過度に依存しており、政権交代によって大きく揺らぐ恐れがあるとして、超党派による議会立法を急ぐべきだと訴えた。Cointelegraphが2026年10月6日(現地時間)、伝えた。

クオモ氏は、政権が代わっても維持できるデジタル資産法制を議会主導で整備する必要があると主張した。問題視しているのは、現在の米国の暗号資産規制が議会による立法ではなく、連邦規制当局の行政措置に大きく依拠している点だ。

同氏は、2025年に米下院を通過した「クラリティ法案」に言及した。同法案は、デジタル資産を巡る包括的な規制枠組みを整え、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の役割分担を明確にすることを目的としていたという。

ただ、上院では9月に審議を前に進めることができず、大統領に送付される最終法案もなお整っていないとしている。

こうした立法の停滞をよそに、SECとCFTCは新たな規則の導入を加速させている。クオモ氏は、両機関が暗号資産取引プラットフォームや一部の暗号資産を対象とする個別の規制を進め、市場構造そのものを大きく変えつつあるとみている。

一方で、こうした動きは短期的に新たな市場機会を生む可能性がある半面、議会が定めた市場ルールがないまま既存の法的権限に依拠しているため、制度の持続性は弱いと指摘した。

さらにクオモ氏は、規制の政治リスクにも言及した。現行の規則は、議会の十分な合意を欠いたまま導入された面があり、当初から政治的に不安定だと主張する。

同氏は「企業が、現在のルールが次の選挙後も維持されるかどうかを推し量らなければならない状況であってはならない」とした上で、「どの政党がワシントンを握るかによって、米国への投資や事業拡大の可否が左右されるべきではない」と述べた。

特に、中間選挙後に議会の勢力図が変われば、規制当局の措置にブレーキがかかる可能性があると強調した。予測市場や最近の選挙動向を踏まえ、民主党が上院、あるいは上下両院で多数派を握る可能性にも触れた。

その上で、議会が行政府の措置を見直し、停止に追い込む手段を過小評価すべきではないと指摘した。新規則の再検討、予算面での制約、議会審査法の活用に加え、調査や召喚状の発付など、議会には複数の手段があるとしている。

クオモ氏は、クリントン政権時代に住宅都市開発省で勤務した経験にも触れた。1994年の中間選挙後に共和党が上下両院を掌握すると、省庁の権限が大きく制約されたと振り返った。

当時は監督が強まり、予算は圧力手段となり、議会は行政府をけん制するために使える手段を総動員したという。同氏は、同様の状況が繰り返されれば、暗号資産規制も政治的な攻防の対象になり得るとの見方を示した。

市場面で最大の問題は不確実性だとも指摘する。クラリティ法案が頓挫した結果、「曖昧さが支配する状況になった」と評価した。

その上で、「この状態は企業にとっても、投資家にとっても、消費者にとっても、そして米国にとっても望ましくない」と述べ、何が合法で何が禁じられるのか、誰が何を監督するのか、ルールがどう執行されるのかについて、明確な基準が必要だと訴えた。

海外との比較では、欧州連合(EU)のMiCA規則やシンガポールの決済サービス法を挙げ、他国は先に規制枠組みを整え、予見可能性を提供していると指摘した。米国が政治的な膠着状態に足を取られたまま、金融イノベーションの行方を左右すべきではないとも語った。

こうした問題意識を踏まえ、クオモ氏は次期議会の最優先課題として超党派立法を提示した。次の議会は政治対立をいったん脇に置き、デジタル資産関連の活動を認可する法案を可決すべきだと主張している。

それによって企業は、米国でより安全かつ合理的に投資し、事業を構築できるようになると説明した。

もっとも、今回の主張はクオモ氏による寄稿に基づく点には留意が必要だ。同氏は現在、OKXの取締役会メンバーを務めるほか、OKXとIntercontinental Exchangeの合弁会社であるOKXICEの共同議長でもある。

そのため今回の発言は、米国の暗号資産市場を規制当局主導の体制から議会立法中心の体制へ移すべきだとする業界側の要請を、改めて示したものとも受け止められる。

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