イーサリアム(ETH)の現物ETFから資金流出が続いている。デリバティブ市場でも売り優勢の地合いが鮮明になっているが、ETH価格はなお2700ドル近辺を維持している。
CryptoSlateによると、6日のイーサリアム現物ETFは純流出となり、これで5営業日連続の資金流出となった。直近5営業日の純流出額は5076万ドル(約76億円)。9月29日以降の累計流出額は2億588万ドル(約309億円)に達し、累計純流入額は約137億5000万ドル(約2兆625億円)へ縮小した。直前の取引日だった9月28日には1710万ドル(約26億円)の純流入だったが、その後は資金フローが流出超に転じた。
オンチェーン指標では、長期保有されていたETHの移動を示す動きも確認された。Santimentによると、「エイジ・コンシュームド(Age Consumed)」は9月30日に5億8000万トークン・デイまで急増し、6月2日以来の高水準を記録した。9月の平日平均と比べて約9倍に当たる。
エイジ・コンシュームドは、移動したコイン数量に保有期間を掛け合わせて算出する指標で、長期間動いていなかった資金が一斉に動くほど数値が大きくなる。
もっとも、これだけで長期保有者の売却拡大とみなすのは早計だ。取引所のETH保有量は9月30日に約1万8000ETH増加した後、翌日には約2万1000ETH減少した。取引所全体の保有量がおよそ590万ETHであることを踏まえると、変動幅は限定的だった。
デリバティブ市場では、レバレッジの低下と売り優勢が同時に進んでいる。CryptoQuantによると、イーサリアムの推定レバレッジ比率は0.66まで低下し、直近7カ月で最低となった。これは、取引所のETH保有量に対する建玉(OI)の規模が縮小したことを示す。取引所別では、Binanceが約0.68、OKXが約0.64だった。
CryptoQuantのアナリスト、Arab Chain氏は、レバレッジ比率の低下について、過度なレバレッジを取る動きが後退したことを示すと分析した。これにより、強制ロスカットのリスクも和らぐ可能性があるという。
一方で、BinanceのETH建玉は8月6日の約23億ドル(約3450億円)から足元では33億ドル(約4950億円)規模へ増加しており、ポジション自体はなお大きい。
売り圧力はテイカー動向にも表れている。BinanceのETH累積純テイカー取引量は、8月21日の19億4000万ドル(約2910億円)から、10月5日にはマイナス13億6000万ドル(約2040億円)まで悪化した。33億ドル(約4950億円)減少し、8月6日以降で最低水準となった。成行売りが成行買いを上回ったことを意味する。
それでもETH価格は、8月6日比で約44%高い水準を保っている。累積純テイカー取引量が下値を切り下げる一方、建玉の下値はおおむね切り上がっており、売りが強まるなかでも相応のデリバティブポジションが残存していることがうかがえる。
この値動きは、買い需要が売り圧力を吸収している可能性を示す。ただ、現物需要そのものが価格をどこまで下支えしているかは、なお見極めが必要だ。
今後、資金調達率(ファンディングレート)が継続的にマイナス圏にとどまっても価格が持ちこたえるようなら、ショートポジションの保有コストが重くなり、買い戻しが発生する可能性もある。
現物ETFからの資金流出とデリバティブ市場の売り圧力が続くなか、相場を支える需要がどこまで持続するかが当面の焦点となる。現物ETFの純流出基調、取引所保有量の変化、そして2700ドル近辺での値動きが、先行きを占う重要な指標になりそうだ。