自動車販売の伸びが鈍る中、Teslaは市場の関心をEVからAI・ロボティクスへと移しつつある。写真=Shutterstock

Teslaの主力である自動車事業が振るわず、年間販売が前年を下回る可能性が高まっている。株価も販売鈍化を背景に軟調に推移しており、市場の関心はEV販売から自動運転やロボタクシー、ヒューマノイドロボット、AIハードウェアへと移りつつある。

Tesla株は2026年に入って21%下落した。同期間のS&P500種株価指数が12%上昇したのとは対照的だ。株価は昨年12月に付けた過去最高値と比べても、足元で約30%低い水準にある。

一方、ウォール街ではTeslaを単なるEVメーカーではなく、自動運転やロボティクスを軸とする「フィジカルAI」企業として評価しようとする見方が広がっている。イーロン・マスク氏も、TeslaをEVメーカーの枠を超えた企業へ転換させる構想を打ち出している。

こうした中、投資銀行による強気・弱気判断にも変化が出ている。Bloomberg集計によると、Teslaをカバーするアナリスト61人のうち、売り推奨の比率は13.1%と、2023年4月以降で最も低かった。昨年12月に株価が最高値を付けた時点では、約4分の1が弱気判断だった。

もっとも、売り判断の低下が業績見通しの改善を意味するわけではない。Teslaに懐疑的な見方で知られたコリン・ラングガン氏がWells Fargoを離れたことで、同社はTeslaを含む自動車関連17社のリサーチカバレッジを終了した。結果として、弱気の1件が集計対象から外れただけで、実際に投資判断が引き上げられたわけではないという。

市場では「売り」よりも「保有」が増えている。Teslaに対するホールド判断の比率は、この2年余りで最も高い水準に上昇した。年初来では市場平均を下回る推移が続いているものの、アナリストの見方は強い弱気から様子見へと傾いている。

それでもTeslaは、いわゆる「マグニフィセント・セブン」の中ではなお相対的に厳しい評価を受けている。7銘柄のうち5銘柄は売り判断が2%未満だった。Appleも弱気判断の比率は10.7%で、Teslaを下回った。

販売動向を映す地域別の新車登録では、欧州に持ち直しの動きが出ている。9月はポルトガルが前年同月比128.3%増と大きく伸びたほか、フランスは61.9%増、スウェーデンは38.4%増、スペインは24.8%増だった。

一方、北欧では伸びが比較的小さく、ノルウェーは2.2%増、デンマークは2.9%増にとどまった。国ごとにばらつきはあるものの、欧州全体では回復の兆しがうかがえる。

欧州での回復には、前年実績の低さによる反動もある。Teslaは1年前の販売が低調だったため、前年同月比の比較がしやすかった。燃料価格の上昇も、EVの経済性を見直す動きにつながったとみられる。

さらに、一部の欧州諸国で実施されたEV購入支援策や、バッテリー式電気自動車への関心の高まりも需要を下支えした。

9月の増加は一時的な動きにとどまらない。欧州自動車工業会(ACEA)によると、EU、英国、欧州自由貿易連合(EFTA)におけるTeslaの新規登録台数は1〜8月に43.3%増加した。同期間のバッテリー式電気自動車市場全体の伸び率38.8%も上回った。

もっとも、欧州で持ち直しがみられる一方で、ウォール街はなお主力の自動車事業の弱さが通期実績の重しになる可能性を警戒している。

今後の焦点は2つある。1つは、欧州での販売回復が他地域にも広がるかどうか。もう1つは、市場がTeslaを自動車会社ではなく、自動運転・ロボティクス・AIハードウェア企業としてどこまで評価するかだ。

足元では、自動車販売の減速見通しと、AI中心へ軸足を移す成長戦略が、Tesla株を左右する二つの材料として併存している。

なお、以上は10月1日付でCryptopolitanが報じた内容に基づく。

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