写真=Waymo ロボタクシー車内での迷惑行為が運用上の課題として浮上している

運転手のいないロボタクシーで乗客の迷惑行為を抑えるには、車内設計とデジタル警告の仕組みを一体で見直す必要がある――。こうした提言が示された。

Ars Technicaが1日(現地時間)に報じたところによると、人間工学やUXを研究する研究者らは、スウェーデンで開かれたワークショップ「Love in Traffic」で、共有型の自動運転車内における不適切行動の抑止策を議論した。実証研究の結果というより、今後の設計原則や研究課題を整理する位置付けだとしている。

議論の中心となったのは、運転手がいないことで、乗客が実際よりも強く「プライバシーが確保された空間」だと受け止めてしまう点だ。研究者のアレクサンドロス・ルチチャス氏は、「たとえ1人で乗っていても、ロボタクシーは従来の意味での私的空間ではない」と指摘した。

過去には、Cruiseのロボタクシー内で利用者が不適切行為に及んだとされる事例が報じられている。Waymoでも、10代の乗客が車内で飲酒し、車外に物を投げたとして処分を受けたケースがあったという。

研究チームは、コンテンツ制作者や観光客をリスクの高い利用者像として挙げた。無人車両を安価な撮影スペースのように見なしたり、現地の法規制や文化的規範を十分に理解しないまま利用したりすることで、トラブルが生じやすくなるとみている。

相乗り型のサービスでは、他の乗客と同じ車両を利用する可能性もある。その場合、車内を私的空間だと思い込むことが、乗客同士の摩擦につながりかねないとしている。

対策としては、車内構造の見直しを提案した。背もたれが高く視線を遮る座席や、車内を仕切るカーテンなど、身体を隠しやすい要素を減らし、見通しのよいレイアウトに改めるべきだという考え方だ。

こうした見直しは、当初から無人運行を前提に設計されたZooxのロボタクシーや、大型の自動運転シャトルで比較的進めやすいとの見方も示した。

デジタル警告の活用も選択肢に挙がった。車内のAIアシスタントが、撮影やモニタリングが行われていることを乗客に通知し、他の乗客が不快に感じる行為や危険行動を検知した場合には、中止を求める仕組みを想定している。

もっとも、見通しを確保しやすい車内設計やAIによる警告は、現時点では研究者による提案にとどまる。ロボタクシー事業者が導入を決めた機能ではない。

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