米ニューヨーク市は1日、自動更新や継続課金型のオンライン購読サービスを対象に、申し込みと同程度に容易な解約手段の提供を事業者へ義務付ける「クリック・トゥ・キャンセル(Click-to-Cancel)」規定を施行した。
Engadgetによると、規定を執行するのはニューヨーク市消費者・労働者保護局(DCWP)。同市は、同様の規定を施行する米国の地方自治体として初めてだとしている。
新たな規定では、事業者に対し、申し込み時や決済時、解約時に購読条件と消費者の権利を明確に示すよう求める。消費者がWebサイトで申し込んだ場合はWebサイト上で解約できるようにするなど、申し込み時と同じ手段で簡便に解約できる仕組みを整える必要がある。
また、無料で提供した商品を回収する際、配送費を消費者に負担させる行為も禁止した。
違反した企業には、1件当たり525ドル(約7万9000円)以上の民事罰が科される。被害を受けた消費者に対し、既に請求した金額の返金を命じられる可能性もある。
ニューヨーク市はあわせて、購読条件の不告知や解約の引き延ばし、自動更新の未告知などを通報できるオンラインの苦情受付窓口も開設した。
今回の制度は、ゾーラン・マムダニ ニューヨーク市長が今年1月、行政命令でいわゆる「購読トラップ」への取り締まり強化を指示したことを受けて整備された。DCWPは7月に最終規則を公表し、解約を困難にする慣行によって、市民が年間最大1億6250万ドル(約243億8000万)の負担を強いられていると推計していた。
内容は、リナ・カーン前米連邦取引委員会(FTC)委員長の下で進められた連邦レベルの「クリック・トゥ・キャンセル」規則と近い。FTC規則は2024年に確定したが、第8連邦控訴裁判所は昨年、規則策定に必要な事前の規制分析を欠いていたとして無効と判断した。FTCは今年、自動更新や購読解約を巡る新たな規制案を検討している。
今回の規定施行により、オンラインでの申し込みは簡単である一方、解約では電話や来店を求めるといった「購読トラップ」に対し、地方政府レベルの規制が動き出した。