ビットコインの12カ月目標価格を引き上げたCitigroup。写真=Shutterstock

Citigroupは、ビットコインの今後12カ月の目標価格を11万3000ドルに引き上げた。イーサリアムの見通しも引き上げ、暗号資産市場への資金流入が今後も続くと見ている。

ブロックチェーンメディアCoinPostが2日付で伝えたところによると、Citigroupはビットコインの12カ月目標価格を従来の8万2000ドルから11万3000ドルへ、イーサリアムは2240ドルから3028ドルへそれぞれ上方修正した。

背景には、投資助言会社や証券会社によるビットコインの組み入れ比率引き上げがある。Citigroupは、資金流入のペースこそ従来より鈍化するものの、流入基調は維持されると分析。今後12カ月の流入額を約50億ドル(約7,500億円)と見積もった。

足元の相場反発も見通し引き上げの材料となった。Reutersによると、ビットコインとイーサリアムは直近3カ月でそれぞれ約40%、68%上昇した。これにより、年初来の下落率はそれぞれ約4%、9%まで縮小した。Citigroupは、米財務省による長期国債の買い戻し措置を受けたドル安も、暗号資産相場を支えた要因だとみている。

一方、同社は米国の規制を巡る環境変化も見通しに反映した。米上院は、デジタル資産の規制枠組み整備に向けた「Clarity法案」について、採決手続きに進むための動議を否決した。業界が期待していた包括的な市場構造法案の成立には、いったんブレーキがかかった格好だ。

ただ、Citigroupは法案停滞後の規制当局の対応を前向きに評価した。法制化の可能性は後退したものの、米証券取引委員会(SEC)による規則公表を促す形となり、市場心理の悪化を和らげたとみている。議会を通じた制度整備が遅れるなかでも、行政面での対応が投資家心理を支えているとの見方だ。

市場では、法案停滞をむしろ好感する見方も出ている。Bitwiseの最高投資責任者(CIO)、マット・ホーガン氏は、上院で法案推進が止まった後、ビットコインが8%、イーサリアムが7%上昇したと指摘した。そのうえで、SECの迅速な対応を評価し、ステーブルコイン、暗号資産取引所、トークン化プラットフォーム、利回り型トークンを恩恵が見込まれる分野として挙げた。

ホーガン氏は、分野ごとに追い風の内容は異なると説明する。ステーブルコインでは、保有者への報酬支払いに追加制限が導入されなかった点を評価した。既存の大手取引所については、新たな市場構造規制に伴う事業再編の負担が軽くなる可能性に言及した。トークン化プラットフォームと利回り型トークンについては、SECの措置が事業運営を巡る不確実性の低下につながるとみている。

もっとも、行政による規制整備が立法と同等の長期安定性を持つわけではないとの見方も示した。ホーガン氏は、今後の政権交代や規制当局トップの交代によって、現在の友好的な政策運営が転換する可能性をリスク要因に挙げた。短期的には規制整備のスピードが市場にプラスに働く一方、長期的には政策の持続性を見極める必要があるとしている。

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