ドナルド・トランプ米大統領は主要AI企業の経営陣をホワイトハウスに招き、AIの安全管理に関する自主協約の署名会合を開いた。NVIDIAやMeta、Googleなどが参加した一方、Appleは姿を見せず、その理由は明らかになっていない。
CNBCが9月30日付で報じたところによると、前日に開かれた「スーパーインテリジェンス昼食会」には、NVIDIAのジェンスン・ファンCEOをはじめ、Teslaのイーロン・マスクCEO、Metaのマーク・ザッカーバーグCEO、Googleのスンダー・ピチャイCEO、Anthropicのダリオ・アモデイCEO、Microsoftのサティア・ナデラCEOらが出席した。OpenAIからはグレッグ・ブロックマン社長、Amazonからは創業者のジェフ・ベゾス氏が参加した。一方で、Appleのジョン・ターナスCEOとティム・クック取締役会議長は出席しなかった。
会合後、トランプ大統領とGoogle、Meta、OpenAI、Anthropic、NVIDIAなどは、AI開発に関する内部統制、外部監査、取締役会の監督などを柱とする自主協約に署名した。トランプ大統領はこの合意について「道義的拘束力を持つ」と述べたが、法的な強制力や制裁条項は盛り込まれていない。
Appleとホワイトハウスはいずれも、不参加の理由を公表していない。Altimeter Capitalのブラッド・ガーストナーCEOはCNBCに対し、欠席を重大な問題とみる必要はないとの認識を示し、Appleにも関連する議論の内容は十分共有されているはずだと語った。クック議長はその数日前、ホワイトハウスで開かれた習近平中国国家主席のための国賓晩餐会には出席していた。
背景には、AppleのAI戦略が他のビッグテックと異なるとの見方もある。GoogleやMeta、Anthropic、OpenAIがフロンティアモデルや大規模AIインフラの競争に力を入れるのに対し、AppleはiPhoneやMacなどの消費者向け端末にAIを深く組み込む戦略を重視している。最新のApple基盤モデルも、GoogleのGemini技術との協力で開発され、端末本体とプライベートクラウドコンピューティング上で稼働するとされる。
このため、今回の欠席だけでAppleがAI競争に出遅れていると断定するのは難しい。ただ、米政府とフロンティアAI企業が安全基準や政策の方向性を議論する場にAppleが加わらなかったことは、同社が他のビッグテックとは異なるAI戦略を採っていることを示したとの見方もある。