Nvidiaで創業初期に技術顧問を務めたEric Gullichsen氏が、ストックオプション契約を巡る文書の食い違いにより、本来得られたはずの株式を行使できなかったと主張している。現在の株価ベースでは、その価値は約1億2987万ドルに相当するという。
29日付でGigazineが報じたところによると、Gullichsen氏は2024年に過去の契約書を見直す過程で、1996年にNvidiaから示されたベスティング条件と、自身が署名したオプション付与文書の内容が異なっていたことに気付いたと明らかにした。
同氏は1993年9月、Nvidiaから2万5000株のストックオプションを付与された。当時、Jensen Huang最高経営責任者(CEO)からの当初の案内では、オプションは4年かけて権利確定するとされていたという。
一方、同氏が公開した署名済みのオプション文書には、権利が四半期ごとに確定し、付与日から1年後には全株が権利確定する内容が記されていた。
1996年4月、Nvidiaの最高財務責任者(CFO)はGullichsen氏に対し、全体の62.5%に当たる1万5625株が権利確定済みだとして、90日以内に行使するよう通知した。同氏はこれに従い、1株当たり0.05ドルで当該分を行使したという。
ただ、署名済み文書にある「付与から1年後に全株が権利確定する」という条件が有効であれば、その時点で2万5000株すべてを行使できたはずだ、というのが同氏の主張だ。このため、残る9375株分を行使できなかったとしている。
この9375株は、Nvidiaの累計480対1の株式分割を反映すると、現在では約450万株に相当する。Gullichsen氏は、記事作成時点の株価で約1億2987万ドル相当になると試算した。なお、当時この分を行使するのに必要だった金額は468.75ドルだったとしている。
Gullichsen氏は弁護士を通じて約1年間にわたりNvidia側と協議したと説明した。同氏によると、Nvidiaはオプション文書そのものの真正性は争わなかったものの、請求権はすでに消滅時効にかかっているとの立場を示したという。
最終的に同氏は、約30年が経過していることから、提訴しても却下される可能性が高いと判断し、法的措置を見送ったとしている。
もっとも、この問題について裁判所の判断は出ておらず、NvidiaがGullichsen氏の契約解釈や、約1億2987万ドル相当の権利を公式に認めたわけではない。30年前の契約文言の違いが、足元の株価上昇を背景に改めて注目を集めている。