Kia PV7(写真=Kia)

中古EVの値下がり幅は、リース会社や自動車金融業界が想定するほど大きくない可能性がある。EU主要4市場の2025年中古車データを基にした分析では、バッテリー電気自動車(BEV)と内燃機関車両の減価率差は12.9ポイントだったが、補助金や税制、新車価格の下落などを反映すると2.6ポイントまで縮小し、差は約8割小さくなるとの試算が示された。

29日付のCleantechnica報道によると、欧州運輸環境連合(T&E)は、ドイツ、フランス、イタリア、スペインのEU主要4市場における中古車取引データを基に分析を実施した。2025年時点では、BEVと内燃機関車両の減価率差は12.9ポイントだったが、従来の試算で織り込まれていなかった要因を反映すると、差は大幅に縮小するという。

T&Eはまず、EV購入補助金、内燃機関車両にかかる取得税、物価、車両構成の違いを反映すれば、差は5.2ポイント縮まると分析した。さらに、足元で進む新車EV価格の下落を織り込むと、差は追加で5.1ポイント縮小する。これにより、当初12.9ポイントあった差は約80%縮小する計算になる。

こうした試算の違いは、中古EVの残存価値を前提に決まるリース料や自動車金融の条件にも影響する可能性がある。T&Eは、リース会社に対しては中古EV需要の拡大に合わせた契約期間の長期化を、自動車メーカーに対してはバッテリー状態の認証や認定中古車プログラムの標準化を提案した。

あわせて、BCAのデータとして、バッテリー状態の認証を受けたEVは平均再販価格が約1.4%高く、売れるまでの期間も2.7日短かったことを挙げた。

中古EV市場の安定を示す動きも出ている。2025年は上期、下期ともに、4市場でEVの減価変動率が内燃機関車両と同程度だった。ドイツでは今年1~7月の中古BEV販売が前年同期比64%増となり、アイルランドでは7月の中古EVの価値上昇率がガソリン車とディーゼル車のほぼ2倍に達した。

T&Eは、EUが進める企業クリーン車両規則(CCVR)によって大企業の車両電動化需要が安定すれば、リース会社の残存価値予測を巡る不確実性も低下し得るとみている。ただ、今回の結果はT&E独自の分析であり、実際のリース価格や中古車市場にどの程度反映されるかは慎重に見極める必要がある。

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