ジョン・ターナス氏 写真=Apple

Appleが、製品投入の通年化と組織のスリム化を柱とする全社的な見直しに着手していると、米ITメディアの9to5Macが9月29日(現地時間)に報じた。ジョン・ターナス氏が、より迅速で機動的な運営体制への転換を主導しているという。

今回の見直しでは、製品投入のあり方と組織構造の見直しを並行して進める。従来より多くの製品を短い間隔で市場に投入し、実験的な取り組みも増やす方針とされる。

具体的には、これまで春と秋に集中してきた発売サイクルを見直し、年間を通じて新製品をより頻繁に投入する案を検討している。

組織面では、エンジニアリングを軸にしたスリムな体制づくりを重視する。エンジニアと経営陣の間にある管理層を薄くするため、一部の中間管理職ポストを廃止する方針で、コスト削減と人員削減もあわせて進めていると伝えられた。

人員見直しはすでに始まっている。ハードウェアエンジニアリング部門では直近2週間で、複数のEngineering Program Manager(EPM)が職を離れたという。

EPMは長年にわたり、製品開発における日程管理や部門横断の調整を担ってきた職種とされる。今回の対象には、社内でも上位等級に位置付けられるディレクター級約6人も含まれた。

対象者には、数週間以内に社内で別のポストを探す猶予が与えられており、新たな役職が見つからなければ年内に退職となる可能性があるという。

コスト削減の動きはさらに広がる可能性がある。報道によると、ジョン・ターナス氏は数年前から、Appleはよりスリムな組織になるべきだと主張してきた。

Appleはこの夏、人工知能(AI)ベースの相談員が一部業務を代替できるとの見方から、AppleCare部門で従業員約5000人を削減する案を検討したが、現時点では保留になっている。

刷新のもう一つの柱が、サービス事業の売上拡大だ。ターナス氏は、サービス部門上級副社長のエディ・キュー氏と最高財務責任者(CFO)のケバン・パレク氏とともに、同部門の売上を押し上げる方策を協議しているという。

新サービスの投入に加え、既存の製品・サービスから収益を拡大する施策も検討対象に上っている。

今回の見直しは、単なるコスト削減にとどまらず、製品投入サイクルと組織運営を一体で組み替える動きといえる。一方で、社内には混乱も広がっているとされ、関係者の1人は現状を「混乱している」と表現したという。

製品開発組織には、より多くの製品を、より短い間隔で投入する圧力が強まっているとみられる。今後は、発売時期の分散が製品戦略の転換につながるかに加え、エンジニアリング組織の効率化とサービス事業の拡大を同時に実現できるかが焦点になりそうだ。

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