写真=OpenAI

OpenAIやAnthropicなど米国の先端AI企業に対し、中国勢の低価格AIモデルの台頭が逆風になるとの見方が出ている。性能差が縮小する中で価格競争が強まれば、巨額投資を前提とした現在の高い企業価値を維持しにくくなる可能性があるためだ。

Business Insiderによると、ワシントン大学(セントルイス)の基金を運用する最高投資責任者(CIO)、スコット・ウィルソン氏は25日(現地時間)、米テキサス州フォートワースで開かれた投資イベントで、OpenAIとAnthropicについて「巨額の投資負担の割に評価が高すぎる」との見方を示した。

同氏は、低価格モデルや無償提供モデルが広がれば、巨額のインフラ投資を続ける先端AI企業の収益性が圧迫されかねないとも指摘した。

ウィルソン氏は、DeepSeek、Alibaba Qwen、Zhipu AI、Tencentなどの中国勢が、性能面で差を詰めながら低コストを強みに攻勢を強めていると強調した。投資先企業の創業者らとの対話を通じ、一部ではより安価なオープンウエートモデルへ移行する動きも確認したという。

モデル仲介プラットフォームのOpenRouterでは、DeepSeekのテキストモデルのリクエストシェアが25.3%となり、OpenAIの18.6%、Anthropicの2.9%を上回った。ただし、この数値はOpenRouter上の利用動向に限ったものだ。

AnthropicはIPOを準備しているとされる。Reutersは、上場手続きが10月中旬ごろに始まる可能性があると報じた。ウィルソン氏は、過去にOpenAIの初期投資の機会を検討したものの、長期的な収益性に確信を持てず、参加を見送ったことも明らかにした。

一方で、これに反論する声もある。OpenAIの初期投資家であるビノド・コスラ氏は、競争力の核心はモデルそのものではなく、チップやデータセンター、ソフトウェアを含むインフラ全体をどこまで押さえられるかにあるとの立場を示している。

OpenAIはBroadcomと推論向け自社チップ「Jalapeño」を共同開発した。NVIDIAや外部クラウドへの依存を抑え、推論コストの引き下げを進める狙いがあるという。

低価格のオープンモデルの拡大と、自前インフラへの巨額投資のどちらが長期的に優位に立つのか。AI業界では、その見極めが今後の勝敗を左右する論点となっている。

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