写真=Prologium。Mercedes-BenzはPrologiumの第4世代全固体電池セルの優先取得権を確保した。

Mercedes-Benzは、台湾の電池メーカーPrologiumの第4世代全固体電池セルについて優先取得権を確保し、共同試験を通じて車載化の可能性を評価する。両社が約10年にわたり進めてきた協業を踏まえ、次世代EV向け電池技術の実用化検証を一段と進める。

9月24日付のEV専門メディアElectrekの報道とPrologiumの発表によると、両社は共同試験契約を締結した。これによりMercedes-Benzは、Prologiumの第4世代「スーパーフルイディファイド無機リチウムセラミック電池」セルを優先的に入手し、試験できる権利を得た。

Mercedes-Benzは、専用施設と外部の専門試験機関を通じて、対象セルの電気特性、熱特性、安全性を総合的に検証する計画だ。試験結果は、将来の車両への採用可否を判断する材料とする。

Prologiumは第4世代電池プラットフォームについて、全固体電池の商用化で課題となる量産性とコスト競争力を意識して設計したと説明した。不燃性の無機電解質、セラミック分離膜、独自のアクティブセーフティ機構を採用し、安全性を高めながら急速充電、高出力、低温環境での性能確保を図ったとしている。

両社は2016年から協業している。これまでパウチセルや次世代角形セル、バイポーラ技術など、複数のリチウムセラミック電池技術を検証してきた。Prologiumは、開発初期から連携を進め、現在は最新の第4世代技術の車載化評価にまで協業を広げているとした。

一方、Prologiumは生産体制の拡充も進めている。2024年5月には台湾で初のGWh級ギガファクトリーを開設し、2026年2月にはフランス・ダンケルクで第2の電池ギガファクトリーの第1期工事の起工式を行った。ダンケルク工場は第1期で年産4GWhの生産能力を見込む。2030年まで段階的に拡張し、最終的な設計生産能力は最大44GWhとしている。

Prologiumによると、第4世代全固体電池セルは最大400Wh/kgのエネルギー密度を持ち、充電は残量5%から80%まで6.4分で完了するという。第三者試験機関TÜVの報告書では、185.4Ahの大型第3.5世代セルが重量当たり381Wh/kgのエネルギー密度を記録した。Prologiumは、この第3.5世代電池を2026年9月から台湾の生産拠点で量産していると説明した。

Prologiumは今年5月、SPAC(特別買収目的会社)のTranslational Development Acquisitionと企業結合契約を締結し、Nasdaq上場を目指すと発表した。取引が完了し、必要な承認と上場要件を満たせば、2026年第4四半期にティッカーシンボル「PRLG」で上場する予定だ。

Mercedes-BenzはPrologiumに加え、米国の全固体電池メーカーFactorial Energyとも協業している。昨年には、Factorialの全固体電池セル106個を搭載した改造EQSで、1回の充電で1200km超を走行したと公表した。2030年までに全固体電池を搭載した初の量産EVを投入する目標を掲げている。

今回のPrologiumとの契約は、Mercedes-Benzが全固体電池の車載化に向けた検証の裾野を広げる取り組みの一環となる。ただし、この契約だけでPrologiumの第4世代電池を採用した量産車の投入が決まるわけではなく、Mercedes-Benzは試験結果を踏まえて採用可否を判断する方針だ。

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