Amazon(写真=Shutterstock)

Amazonが、過去の人員削減で退職した元社員の再雇用を広げていることが明らかになった。いわゆる「ブーメラン採用」で、特にAmazon Web Services(AWS)や人工知能(AI)、機械学習(ML)といった技術分野で、元社員への復職打診が進んでいる。

9月24日付の海外メディア報道によると、Amazonは元社員に社内の求人情報を案内し、復職を提案している。Business Insiderが入手した採用担当者のメールでは、AWSやAI関連組織を中心に、元社員へ直接連絡している事例が確認された。対象には、過去の減員で退職した社員も含まれるという。

AWS副社長のスワミ・シバスブラマニアン氏の組織では、AIと機械学習分野の元社員に復職を打診していた。採用担当者の1人は、この取り組みを「スワミのブーメラン再参加イニシアチブ」と表現している。

復職の手続きも一部で簡略化しているもようだ。AWS財務部門の採用担当者が、通常より短い選考でオファーに至る可能性があると案内した例もあり、既存社員としての経験を踏まえた迅速な再雇用ルートを設けているとみられる。

あわせて、退職理由の確認も進めている。AWSの採用担当者の中には、オフィス復帰方針(RTO)が退職の主因だったかを尋ね、その回答をリモートワークや勤務地に関する希望を踏まえた採用アプローチに生かすと説明したケースもあった。

一方でAmazonは、RTOを理由に退職した元社員だけを狙った施策との見方を否定している。広報担当のヘイリー・シルバ氏は、ブーメラン採用は特定組織に限った新たなプログラムではなく、以前から全社で行ってきた採用手法だと説明した。人員削減で退職した社員が再雇用の対象になることはあり得るものの、RTO退職者に対象を絞ったものではなく、出社に関する会社方針にも変更はないとしている。

今回の動きは、Amazonが大規模な人員削減を進める一方で、一部の重点分野では人材確保を続けている流れと重なる。Amazonは昨年10月に約1万4000人、今年1月に約1万6000人の減員を発表しており、半年足らずで計約3万人の雇用を削減した。当時は、組織内の不要な階層を減らして官僚主義を和らげる一方、将来の重要分野には投資と採用を続ける方針を示していた。

今回の再雇用は、全社一律の採用拡大というより、人員削減後に生じた欠員を埋めるための対応とみられる。AWSやAI、機械学習分野を中心に、業務や組織を理解する元社員に再び機会を提示し、必要人材の確保を進めている格好だ。Amazonは、新規応募者と元社員の双方を対象に採用を行っており、元社員の再雇用は一般的な採用手法の一つだとしている。

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