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Teslaは米ネバダ州スパークスで、大型電動トラック「Semi」向けの専用工場を本格稼働した。年産能力は最大5万台を見込む。乗用EVに続く成長分野として商用車事業を拡大し、量産体制の構築を急ぐ。

米CNBCなどによると、Teslaは24日(現地時間)、同工場の開所式を開いた。Semiは今年4月、同工場の高速生産ラインで初号車を生産しており、今回の開所を機に本格稼働に入る。

Semiは2017年に初公開された大型電動トラック。Teslaは2022年からPepsiCoなど一部の初期顧客に限定的に納入してきた。乗用EV市場で競争が激しさを増すなか、Teslaは長距離貨物輸送向けの商用車領域にも事業を広げている。

需要面でも大型案件が相次いでいる。ゼロエミッショントラック導入を進める連合体「ZETスケール」は22日、初回2500台規模の電動トラック調達で、主要供給先にTeslaを選定したと発表した。同案件にはMicrosoftやPepsiCoなどが参加し、Kenworth、Volvo、RIDEも供給に加わる。

スウェーデンの貨物輸送技術企業Einrideも先月、Tesla Semiを500台発注する計画を明らかにした。段階的に導入し、一部車両は9月から配備を始める予定だ。

米国ではディーゼル価格の高止まりを背景に、商用車の電動化への関心が高まっている。TeslaはSemiの競争力として、航続距離と充電性能を挙げる。Teslaによると、スタンダードレンジの航続距離は満充電で約523km、ロングレンジは約805kmという。

両モデルとも最大800kWの出力を備える。Teslaは、30分の充電で航続距離の最大60%を回復できるとしている。なお、航続距離は総重量8万2000ポンド(約3万7200kg)、時速55マイル(約89km)、気温20度、平地といった条件で算出した推定値だ。

自動運転技術の導入も焦点となる。イーロン・マスクCEOは7月の決算発表で、Teslaのフルセルフドライビング(FSD)をSemiに適用する計画を明らかにした。マスク氏はトラック運転手の不足に触れ、自動運転のSemiが米国の貨物輸送における人手不足の緩和に重要な役割を果たすとの見方を示した。実現時期については「今年末か来年初めごろ」と述べている。

自動運転大型トラックでは、他社の商用化も進む。Aurora Innovationは無人トラックを実際の貨物輸送に投入しており、23日には商業輸送に活用しているという。年末までに200台体制へ拡大する計画だ。Kodiak AIも実証と並行して実運行を進めており、24日にはカリフォルニア州でDTL Transport向けの貨物輸送を自動運転トラックで始めたと発表した。

電動商用車への転換は環境面でも注目される。国際クリーン交通委員会(ICCT)によると、トラックとバスは世界の道路車両に占める割合が10%未満にとどまる一方、輸送部門の大気汚染の約半分を占める。もっとも、輸送関連の二酸化炭素(CO2)排出比率は約25%で、大気汚染とCO2排出は区別してみる必要がある。ICCTは、ゼロエミッション商用車への転換が大気汚染の抑制に加え、運用コストの削減にもつながるとしている。

Teslaは欧州市場への展開も進めている。今月には独ハノーバーで開かれたIAA交通展示会で欧州仕様のSemiを公開し、総重量40トン条件で最大約550kmの航続距離を示した。欧州ではVolvoやDaimler Truckがすでにバッテリー電動の大型トラックを販売しており、Teslaも現地メーカーと競合する構図となる。

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