発足1周年の成果報告会で発言するハ・ジョンウ国家AI戦略委員会常任副委員長(写真=聯合ニュース)

国家AI戦略委員会は9月8日、発足2年目の重点方針として、委員会運営を分科会中心から成果物を明確にしたプロジェクト型へ切り替えると明らかにした。あわせて、AIデータセンター(AIDC)の国家戦略産業化、産業・国防AX、AIセキュリティ、標準化を本格的に進める。

省庁横断のAI予算が今年16兆4000億ウォンに拡大したことを踏まえ、政策立案にとどまらず、事業の実行と成果管理までを重視する姿勢を鮮明にした。

ハ・ジョンウ常任副委員長は同日、ソウルスクエアで開かれた発足1周年の成果報告会で、「この1年で戦略と基盤は整った。今後はより成果重視で進める必要がある」と述べた。さらに「昨年が韓国のAI大転換に向けた土台づくりの時間だったとすれば、これからは国民が体感できる成果を生み出す段階だ」と語った。

同委員会は2025年9月に発足。今年2月には、3大政策軸と12の戦略分野の下で、99の実行課題と326の政策勧告を盛り込んだ「大韓民国人工知能行動計画」を確定した。今後は技術動向やグローバル競争環境の変化に応じて同計画を継続的に高度化し、3大メガプロジェクトや7大SEEDプロジェクトなど、省庁横断の大型事業間の調整も強化する。

委員会は、AI技術から高帯域幅メモリ(HBM)、製造、ロボットまでを含む「AIフルスタック」の競争力を土台に、グローバルAIサプライチェーンで代替されにくい役割の確立を目指す。米中とのコンピューティングインフラ格差の縮小に加え、大企業と中小企業、首都圏と地方のAI転換格差の是正、スタートアップのスケールアップ、地域や若年層の成長機会拡大にも取り組む。

◆AIDCを国家戦略産業に、GPUは「確保」から活用効率重視へ

2年目の実行課題では、インフラ分野の中核として、AIDCの国家戦略産業化とコンピューティング資源の活用効率化を据えた。

技術革新・インフラ分科は、国産NPU(ニューラルネットワーク処理装置)をはじめとするAIDC関連機材の国産化と国内生産体制の方向性を整理し、3大メガプロジェクトの「AIDC国家戦略産業化」計画に反映した。地方へのAIDC誘致に向けたインセンティブについても、2027年3月施行予定のAIDC特別法に盛り込まれるよう後押しした。

今後は、AIDCの許認可や特区指定を扱う審議・議決体制を構築し、特別法施行前のシミュレーションを進める。フロンティアAIモデルと国産NPUの連携、業種別のフィジカルAIデータの確保と活用に向けたパイプライン整備も後続課題とする。

GPU政策については、単なる確保や配分にとどまらず、運用状況や実際の活用成果まで管理対象を広げる。国家AIコンピューティング資源の稼働状況をリアルタイムで把握するダッシュボードを整備し、合理的な資源配分の原則も策定する。

シン・ジヌ技術革新・インフラ分科長は「リアルタイムでGPUの運用状況を点検できるダッシュボードを構築し、コンピューティング資源の合理的な配分原則を定める」と説明した。

産業分野では、この1年で策定した製造、自動運転、ヒューマノイド関連の戦略を現場に定着させることに重点を置く。委員会はこれまでに「製造AI 2030戦略」「ヒューマノイド産業エコシステム造成・拡散計画」「自動運転AI実証および商用化ロードマップ」の策定を支援してきた。今後は「2030グローバルAIデカコン企業育成計画」「自動運転中心の交通・物流AI大転換計画」など後続政策の策定も支援する。

◆国防AX、AIセキュリティ、標準化を拡大 国家全体で実装へ

国防分野では、独自AIファウンデーションモデルを実際の特化型AIとして活用する取り組みを進める。

委員会は、国防データカタログを構築し、防衛産業企業やAI企業に試験的に共有したほか、独自AIファウンデーションモデルを活用した国防特化AIの開発に向け、省庁横断の協力基盤を整えた。今月からは5カ所の国防AX拠点を順次開設し、データ共有と実証を拡大する。国防AIデータセンターの構築も支援する。

AIの普及拡大に合わせ、セキュリティ体制の強化も進める。セキュリティ特別委員会は、本番環境のネットワーク上でホワイトハッカーが脆弱性を常時発見・報告し、対象機関が対応する「セキュリティ脆弱性の常時申告・措置制度導入ロードマップ」を策定した。

今後は、AIモデルの開発から導入、調達、運用までの全段階でセキュリティを基本原則として適用する「AIセキュリティ前面化」を推進する。ISMS、N2SF、CSAPなど分野別・省庁別に分かれたセキュリティ制度を連携させ、国際相互運用性を備えた「K-AIサイバーセキュリティフレームワーク」も整備する計画だ。

国家レベルのAI標準化ガバナンスの構築も進める。委員会は6月、外交部、科学技術情報通信部、産業通商資源部、行政安全部、国防部などが参加するグローバルAIガバナンスの省庁横断協議体を発足させた。各省庁に分散しているAI標準化政策を国家レベルで調整する体制は、今年第3四半期中に確定する予定だ。

公共分野では、政府横断のAI共通基盤の高度化を進めるとともに、公共API、モデルコンテキストプロトコル(MCP)、データ標準化を推進する。AI基盤の統合行政窓口プラットフォームの実装や、公共データの機械可読性の向上を通じて、「AIネイティブ政府」への転換を加速させる考えだ。

AI転換の恩恵を国民全体に広げる「AI基本社会」計画も、今年第4四半期に策定する。AI福祉・ケアの革新、AI犯罪への対応、医療分野でのAI活用拡大などを通じ、産業競争力の強化に加えて、国民が体感できるAI転換の成果創出を目指す。

◆分科会中心から成果物中心へ、プロジェクト型組織に移行

これまでは各分科会が所管分野ごとに政策を策定してきたが、2年目からは複数の分科会が共同で参加し、具体的な成果物を生み出すプロジェクト方式へと転換する。

省庁横断のAI予算は、前年の9兆9000億ウォンから今年は16兆4000億ウォンへと64%超増えた。委員会は来年度の新規AI予算編成に向けても、予算当局とともに、省庁横断の新規事業が実質的なAI事業に当たるかどうかを検討した。

ハ・ジョンウ常任副委員長は質疑応答で「プロジェクトは最終的に生み出す成果物が明確でなければならない」と述べたうえで、「各分科会の領域を超え、複数分科会がともに参加する形で、国民が体感できる成果を作っていく」と説明した。委員と諮問委員の体制もより効率的に運営する方針で、具体的な組織運営案は次回の全体会議で公表する。

独自AIファウンデーションモデル事業の今後の推進方式についても見直す。既存の競争方式を維持するのか、あるいは特別目的会社(SPC)など別の形態を活用するのかは、現時点では決まっていない。

ハ・ジョンウ常任副委員長は「一次でも二次でも課題は残るようだ」としたうえで、「本質的に目指すフロンティアAIの能力を強化するため、評価方法や基準、実行体制を、科学技術情報通信部と戦略委員会の技術革新・インフラ分科、データ分科などが共同で改善していく」と述べた。

セキュリティ分野では、独自AIファウンデーションモデルとサイバーセキュリティ特化AIを段階的に連携させる方向性も示した。イ・ウォンテ セキュリティ特別委員長は、高性能な独自モデルをセキュリティ分野で本格活用するには時間を要するとした上で、まずはマルウェアやサイバー脅威情報を学習したセキュリティ特化モデルを先行して開発し、長期的には独自のフロンティアモデルを基盤とするセキュリティAIへ高度化していく必要があると説明した。

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