ドイツのザクセン=アンハルト州議会選挙で右派政党AfD(Alternative for Germany)が大きく議席を伸ばし、ビットコインの税制を巡る議論が再び注目を集めている。州選の結果が連邦税法を直接左右するわけではないが、暗号資産への課税強化に反対してきたAfDの発言力は一段と高まりそうだ。
米メディアCryptopolitanが8日報じたところによると、AfDは6日実施の同州議会選で名簿投票の43.8%を獲得し、首位に立った。2021年の前回選挙から23ポイント上昇した。CDU(キリスト教民主同盟)は17.2%にとどまった。
暫定集計では、AfDは全83議席のうち39議席を確保した。単独過半数に必要な42議席には3議席届かなかった。投票率は77.8%だった。
AfDは暗号資産課税を巡り、ビットコインに比較的友好的な立場を取ってきた。昨年10月に連邦議会に示した提案では、ビットコインを他の暗号資産と区別して扱うべきだと主張。12カ月保有時の非課税規定の維持に加え、個人によるマイニングやライトニングノードの運用を営利活動と見なさないよう求めた。さらに、ビットコインをEUの暗号資産規制「MiCA」の対象から外す案も訴えている。
現行のドイツ税制では、個人が保有するビットコインを含む暗号資産は、取得から1年以内に売却した場合の譲渡益が課税対象となる。一方、1年超保有したうえで売却した場合は、原則として非課税だ。
ドイツ政府は2027年から暗号資産課税の枠組みを見直す方針で、1年超保有時の非課税措置の廃止も検討対象となっている。ただ、具体的な法案はまだ固まっていない。
緑の党も5月、保有期間にかかわらず暗号資産の売買益に所得税を課す法案を提出したが、議会委員会で否決された。この際、AfDは課税対象の拡大に反対していた。ザクセン=アンハルト州に連邦税制を決める権限はないものの、今回の躍進によって、AfDが今後のビットコイン課税論議で存在感を強める可能性は高まっている。