LayerZeroは9月8日、BDACSが発行するウォン建てステーブルコイン「KRW1」に、自社のOFT(Omnichain Fungible Token)技術を導入すると発表した。これによりKRW1は、特定のチェーンに閉じず、複数チェーン間で同一資産として移転・利用できるようになる。
LayerZeroによると、OFTは単一のデジタル資産を複数のブロックチェーン上で同一資産として扱えるように設計した同社のトークン標準。KRW1への適用によって、チェーンごとに分断されない形で資産を流通させる狙いがある。
資産を別のチェーンへ移す際は、移転元チェーンで対象数量をバーンまたはロックし、移転先チェーンで同量を発行またはアンロックする。この仕組みにより、総供給量をチェーン横断で一元管理できるという。ラップドトークンを別途用意する必要を減らし、資産が複数形態に分かれることで生じる流動性の分断も抑えられるとしている。
LayerZeroは、資産の移転や流通を支えるインフラにとどまらず、実際の取引や決済を担う金融市場インフラ領域にも展開している。高性能ブロックチェーン「Zero」と、取引のマッチング、清算、決済、リスク管理を統合した取引所インフラ「ATLAS」を通じ、各種資産がブロックチェーンの境界を越えて移動するだけでなく、グローバル市場で取引・決済できる基盤の構築を進める考えだ。
LayerZeroのアジア統括を務めるイム・ジョンギュ氏は、「ステーブルコイン市場では、マルチチェーン対応はもはや選択肢ではなく前提条件になっている。最近の規制緩和の流れの中で、国内でもステーブルコイン発行を検討する企業や協議体が増えている」とコメントした。
その上で同氏は、「重要なのは発行そのものではなく、発行された資産が複数のブロックチェーン上でどれだけ安定的に流通できるかだ。KRW1へのOFT導入は、ウォン建て資産の流通基盤を整備した事例であり、LayerZeroは国内ステーブルコイン事業者のマルチチェーン展開における一つの指標になっていく」と述べた。